58話 ページ10
しばらくの沈黙が続き、ジウの姿も見えなくなったところで女の人は口を開いた
｢Aちゃん、だっけ？｣
先程の表情を保ったまま、けれど先程より声のトーンが少し低くなっていた
どこからどう見ても私に良い印象が無いのがわかる
｢今日は暇かな？｣
｢え？｣
｢学校が終わったあと、暇？｣
想定外の言葉に呆然とし、それから錆びた鉄を無理矢理動かしたかのような鈍さで首を1回縦に振った
｢じゃあ少しお話がしたいからお茶しない？｣
正直に言うと、凄く嫌だ
何を言われるかわからないし、どう考えてもこの人と2人で会うことでプラスになる事は無い気がする
｢お茶する時間が無いなら立ち話でも良いんだけど｣
｢えっと……その｣
｢じゃあ図書館にしようか。待ってるからね｣
私の返事も待たずにその人は微笑むと綺麗な黒髪を揺らして去っていった
よりにもよって図書館だって
昨日の出来事なのに遠い昔のように感じるけれどあの5分間は痛いほど胸を締め付け続け、傷なんて少しも癒えていないのに
図書館で、しかもあの女の人と会うなんて
私はいったい何を言われるのだろうか
ミンソクのことを嫌いだと言ったと伝えれば、あの人は満足するのだろうか
｢……つら｣
思わず口から零れた声は誰に届くこともなく、ジウに追い付いてからもたいしたことは無かったと言って笑って過ごした
なんだか私が私じゃ無くなっていくみたいで、気持ち悪い
セフンの言う通り、私がしたことは正解では無かったんだろう
どんどん自分が嫌いになっていく
後悔先に立たずとは、この事を言うのか
時間を巻き戻せるのなら、ミンソクにあんな事を言う前にジョンインにでもセフンでもジウにでも話をするのに
でも、そんな事を考えても仕方が無い
時間が巻き戻ることなんてありえないんだからこれからのことを考えないと
そう言い聞かせ、全ての講義を終えて昨日ぶりの図書館へと足を運んだ
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K(プロフ) - オさん» ありがとうございます、嬉しいお言葉...(;_;)セフンの話がTwitterで短いけど公開していますのでそこで明らかになります！ありがとうございます、これからもよろしくお願いします！ (2018年7月8日 14時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
オ - すごく面白かったです！セフンが主人公のこの事好きなのかなーと思っちゃいましたwとりあえず、感動しました！他の作品も読ませて頂きたいと思います！ (2018年7月7日 22時) (レス) id: 7dfbf1448b (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - Kuma Satokoさん» 初めまして、コメントありがとうございます！とても嬉しいお言葉です(;_;)他の作品でもお会い出来ることを楽しみにしてますね(^o^) (2017年12月28日 23時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
Kuma Satoko(プロフ) - 初めまして！Kさんの作品を読み漁っています(≧∀≦)こちらも一気読みして、興奮して鳥肌が…(笑)ミンソクさんステキ過ぎました(〃ω〃)素敵な作品ありがとうございます！また他の作品も読み漁らせていただきます！！ (2017年12月19日 13時) (レス) id: 03a0943bf5 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - kouさん» コメントありがとうございます！一気読みしてくれたんですね、嬉しいです(;_;)番外編も誰の番外編かはまだお楽しみ、にはなりますがいつか必ず投稿するのでお待ちください！ (2017年9月26日 23時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2017年5月29日 22時
