80話 ページ32
ミンソクの視線から逃れるように手に持っていた缶ビールに興味のあるふりをした
どう答えるべきか迷った末、どちらとも取れる言葉を選んだ
｢好きな人に振り向いてもらえないのが辛かったから、ああ言った｣
ミンソクが大好きだけど、私の気持ちがどうしても届かなくて
私とミンソクの気持ちの違いが虚しくて
どうせ好きになってもらえないのなら気持ちの無いものでも、ミンソクの温もりに触れてみたかったんだ
｢そっか｣
ミンソクはそれ以上深く聞こうとはしなかった
また何か探りを入れられるかと身構えていただけに少し力が抜ける
｢Aは俺に聞きたいことある？2つ聞いたからAも2つね｣
｢え？えーっと…｣
しっかりと同じ数だけ質問に答えてくれるらしい
何を聞くべきだろうか
聞きたいことがありすぎて口ごもっているとカウントダウンが始まり焦って声を出した
｢待って待って！決まった！図書館のあの人とは…あの後どうなったの？｣
キスした所を目撃してからあの人のことを見掛けていない
今も一緒にいるのだろうか
ミンソクはあの人と付き合う気は無いと言っていたけれど、その場しのぎの言葉では無いのだろうか
｢どうもなってないよ。遠くなったわけではないけど、近付きもしてない｣
つまり、あの人は今でもミンソクのことが好きでずっと傍にいるのだろう
でもミンソクはそれを受け入れていない
そういうことでいいんだよね？
少しだけ安堵してお酒のせいで火照った頬を扇いだ
安心したら気が緩んで気分が上昇してきた
恐らく程よく回ったアルコールのせいもあるだろう
そして2つ目の質問
もしかすると自分が傷付くかもしれない質問を口に出来たのは恐らくアルコールのお陰だった
｢私が寂しいって言った時、私がどんな気持ちでそう言ったと思ったのか、それを聞いてミンソクはどう思ったのか…教えて｣
目を上げるとミンソクは参ったな、とでも言い出しそうな顔をして髪をわしゃわしゃと掻き乱した
｢Aの事だから突然聞いたら焦ってもっと簡単なこと聞いてくると思ったのに｣
｢私も少しは大人になったからね｣
そうだよな、と小さく呟きちらりと私を見るとほんの少し視線をずらした
｢引くなよ？｣
｢内容による｣
｢あーもーめちゃくちゃ言いたくない！｣
｢嘘だよ、引かないから…教えて｣
どんな些細な事でも知りたい
私の知らないミンソクを見せて欲しい
そうしたら、私も素直になれるかもしれないから
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K(プロフ) - オさん» ありがとうございます、嬉しいお言葉...(;_;)セフンの話がTwitterで短いけど公開していますのでそこで明らかになります！ありがとうございます、これからもよろしくお願いします！ (2018年7月8日 14時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
オ - すごく面白かったです！セフンが主人公のこの事好きなのかなーと思っちゃいましたwとりあえず、感動しました！他の作品も読ませて頂きたいと思います！ (2018年7月7日 22時) (レス) id: 7dfbf1448b (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - Kuma Satokoさん» 初めまして、コメントありがとうございます！とても嬉しいお言葉です(;_;)他の作品でもお会い出来ることを楽しみにしてますね(^o^) (2017年12月28日 23時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
Kuma Satoko(プロフ) - 初めまして！Kさんの作品を読み漁っています(≧∀≦)こちらも一気読みして、興奮して鳥肌が…(笑)ミンソクさんステキ過ぎました(〃ω〃)素敵な作品ありがとうございます！また他の作品も読み漁らせていただきます！！ (2017年12月19日 13時) (レス) id: 03a0943bf5 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - kouさん» コメントありがとうございます！一気読みしてくれたんですね、嬉しいです(;_;)番外編も誰の番外編かはまだお楽しみ、にはなりますがいつか必ず投稿するのでお待ちください！ (2017年9月26日 23時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2017年5月29日 22時
