79話 ページ31
学校であった話やバイト先であった話をして、短い針も長い針も12を過ぎた頃
一瞬間が空いただけなのに何故か妙に緊張した
空気の重さが変わった気がした
｢あのさ｣
ミンソクの声にちらりと目をあげると真っ直ぐに私を見ていた
怖いくらい格好良くてすぐに視線を下げてしまった
｢あの時の言葉は、本当？｣
どの時？
なんだか色々ありすぎて何のことを聞かれているのかが分からない
｢Aは、俺のことキライ？｣
どくんと心臓が大きな音をたてた気がした
耳元に心臓があるのではないかと思うくらい鼓動の音が聞こえる
本当に嫌いだと思っているのならこんなふうに一緒に居るはず無いのに
｢意地悪だ…分かってるくせに、そうやって…｣
｢ちゃんと言ってくんなきゃわかんない。それにけっこう傷付いたし俺｣
私にキライだと言われて傷付いた？
いつも通りに見えたけど、そうじゃなかった？
｢…キライじゃない、キライになんてなれないよ｣
掠れた声だった
それでもそう言っただけでずっとモヤモヤしていた霧のようなものが晴れていくようにスッキリとした
たぶん1番ミンソクの隣の居心地が前と違った理由はこれだったから
｢…じゃあ何であんなこと言ったわけ？｣
力が抜けたように大きく息を吐き出してテーブルに突っ伏したミンソクのふわふわな髪を見つめながら言い出しにくい事を口にした
｢好きな人がいるのにずっと私の傍にいてくれる事がなんだか申し訳なくて…優しさに漬け込んで甘えっぱなしだったからミンソク離れしてみようかなって…｣
｢馬鹿かよ｣
｢うわ、セフニと同じこと言われた！いっぱい悩んで決めたのに｣
｢だからそれが馬鹿なの！あぁもう…嘘でも二度とあんなこと言わないで｣
表情は見えないけれど、力の抜けた声に相当困らせていた事が伺える
唐突に起き上がったミンソクと目が合い固まってしまった
さっきとはまた少し違う空気を、そこに感じたから
｢もうひとつ聞きたいことがあるんだけど｣
息をすることさえ躊躇われた
これ以上何も聞かれたくない、私にとって都合の良くないことを聞かれる気しかしない
｢前にここに来た時寂しいって言ったじゃん。あれはどういう意味？好きな人に振り向いてもらえなくてその寂しさを俺で埋めようとした？それとも違う理由？｣
｢良いじゃん、今更そんな…｣
｢教えて｣
真っ直ぐすぎる目から逃れる事が出来なくて、目を逸らせないまま時間が過ぎていった
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K(プロフ) - オさん» ありがとうございます、嬉しいお言葉...(;_;)セフンの話がTwitterで短いけど公開していますのでそこで明らかになります！ありがとうございます、これからもよろしくお願いします！ (2018年7月8日 14時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
オ - すごく面白かったです！セフンが主人公のこの事好きなのかなーと思っちゃいましたwとりあえず、感動しました！他の作品も読ませて頂きたいと思います！ (2018年7月7日 22時) (レス) id: 7dfbf1448b (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - Kuma Satokoさん» 初めまして、コメントありがとうございます！とても嬉しいお言葉です(;_;)他の作品でもお会い出来ることを楽しみにしてますね(^o^) (2017年12月28日 23時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
Kuma Satoko(プロフ) - 初めまして！Kさんの作品を読み漁っています(≧∀≦)こちらも一気読みして、興奮して鳥肌が…(笑)ミンソクさんステキ過ぎました(〃ω〃)素敵な作品ありがとうございます！また他の作品も読み漁らせていただきます！！ (2017年12月19日 13時) (レス) id: 03a0943bf5 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - kouさん» コメントありがとうございます！一気読みしてくれたんですね、嬉しいです(;_;)番外編も誰の番外編かはまだお楽しみ、にはなりますがいつか必ず投稿するのでお待ちください！ (2017年9月26日 23時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2017年5月29日 22時
