61話 ページ13
次の日は学校もバイトも休んでしまった
ノックをしてドアの外から心配そうに声を掛けてくれるジョンインに顔も見せずに具合が悪いと言い、バイト先に連絡して休みをもらった後はセフンにも喫茶店に行けなくなってごめんとメッセージを送っておいた
何をしていても昨日のことを思い出して涙が出てきてしまう
こんなんじゃバイトどころか誰にも顔を合わせられない
幸いな事に明日は土曜だしバイトも無いので今日明日と1人でゆっくり過ごせばきっと良くなるだろうと自分を落ち着かせた
どうしてミンソクはキスなんてしたのだろうか
私があんな事言ったからって、意地になってするような人だろうか
もちろん私はミンソクが好きだからずっとそういう想像はしてきた
でも昨日のは、私の想像からは掛け離れていた
あんなに悲しそうな顔をして力無く笑うミンソクは初めて見た
あんな顔をさせてしまったのは間違いなく私だ
これから先、私はどうすれば良い？
もうミンソクの前に立つ勇気なんて少しも無い
ジウのためだと言い聞かせてもきっと、出来ない
好きなのに会いたくない
大好きなのに、会うのが怖い
頬を濡らす涙はいくら流しても枯れてはくれない
喉はカラカラだけどベッドから動く気力は無い
お腹は空いてくれない
何をする気力も起きない
こんなふうに泣いたって何も解決しないのに、馬鹿みたいだ
そんな事を頭の片隅で考えながらまた一筋の涙が頬を伝った
その時、ノックの音が響いた
時計を見ると夜の7時
ジョンインが夜ご飯のために呼びに来てくれたのだろう
けれど食べる気にもなれないし誰にも会いたくなくて寝た振りをすることにしてドアに背を向けて目を瞑った
ドアが開く音が聞こえ近付いてくる気配を感じたけれど寝た振りを続け、去ってくれるのを待ち続ける
数秒後、ドアを閉め階段を降りて行く音を聞いてから目を開けて体を起こした
テーブルにペットボトルの水と少し不格好な林檎が置いてある
なんだか今はこれだけの気遣いに触れただけで涙が出てくる
持ってきてくれた水で喉を潤し、林檎をひと口齧るとなんだか少しだけ元気が出てきた気がした
やっぱり人間はどんな時でも食べないと駄目なんだなぁなんて少し呑気な事を考えながら次にミンソクに会った時の予行練習を始めた
何も無かったような顔して笑うんだ
今から練習しておけばきっと大丈夫
こんな時でもミンソクと会わないという選択肢が浮かんで来ない自分に、心底呆れた
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K(プロフ) - オさん» ありがとうございます、嬉しいお言葉...(;_;)セフンの話がTwitterで短いけど公開していますのでそこで明らかになります！ありがとうございます、これからもよろしくお願いします！ (2018年7月8日 14時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
オ - すごく面白かったです！セフンが主人公のこの事好きなのかなーと思っちゃいましたwとりあえず、感動しました！他の作品も読ませて頂きたいと思います！ (2018年7月7日 22時) (レス) id: 7dfbf1448b (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - Kuma Satokoさん» 初めまして、コメントありがとうございます！とても嬉しいお言葉です(;_;)他の作品でもお会い出来ることを楽しみにしてますね(^o^) (2017年12月28日 23時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
Kuma Satoko(プロフ) - 初めまして！Kさんの作品を読み漁っています(≧∀≦)こちらも一気読みして、興奮して鳥肌が…(笑)ミンソクさんステキ過ぎました(〃ω〃)素敵な作品ありがとうございます！また他の作品も読み漁らせていただきます！！ (2017年12月19日 13時) (レス) id: 03a0943bf5 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - kouさん» コメントありがとうございます！一気読みしてくれたんですね、嬉しいです(;_;)番外編も誰の番外編かはまだお楽しみ、にはなりますがいつか必ず投稿するのでお待ちください！ (2017年9月26日 23時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2017年5月29日 22時
