49話 ページ1
子どもみたいに泣きながら歩いていると後ろから足音が聞こえ、流石に今の精神状態でも知らない人にこんな姿を見られるのは嫌だという意識はあったのでなんとか声を押し殺し俯いたまま早歩きで駅へと急いだ
すると突然肩を叩かれ、驚いて後ろを振り返りそうになる顔を寸でのところで止めた
絶対今ひどい顔してる、見せられない
誰かも分からない人物の顔も見ずに頭を下げて再び早歩きで歩みを進めると腕を掴まれて今度こそ振り向いてしまった
そしてそこにいた人に安心したのかなんなのか、一気に力が抜けた
｢…セフン｣
｢うわ、ほんとに泣いてる｣
セフンは私の顔を見ると思い切り顔を顰めて少しだけ身を引いた
｢ジョンイニが今日バイトで家にいられないからかわりに迎えに行ってとか言われたから来てみたら…何事？朝から変だったとか言ってたし｣
思い切り顔を顰められて引かれても、セフンが自分の理解者だということを知っているからなのか色々なものが一気に溢れ出した
声を出したくても出てこないし、呼吸も上手くできなくてどんどん浅くなっていく
なんか、やばい
そう思ってても自分の呼吸をコントロールすることすら出来なくなっていた
｢大丈夫、ゆっくり息して｣
セフンはそう言いながらその場にしゃがみ込んだ私の隣で背中をゆっくりと擦りながら小さく声をかけ続けてくれた
今優しくされるとよけい涙が止まらなくなる
けれど、自然と呼吸は落ち着いていった
人の温もりに触れることでこんなにも心が穏やかになるんだって、セフンの温かさでそれを初めてこの身をもって痛感した
｢落ち着いた？とりあえずもう少し先にお店あるし入る？｣
道の真ん中でしゃがみ込んでいたので落ち着いたのを見計らいセフンは私を立たせ、歩くのを促せながらそう言った
私はしきりに零れる涙を乱暴に拭いながらただ頷いて歩いた
｢全然人いないなこの店…入って大丈夫かな…まぁいない方が今は有難いか｣
隣でセフンがぼそぼそとそんな事を呟いていたので少し顔を上げると、寂れた感じの古めかしい喫茶店のようなお店がある
大学生が入ってくるような店ではないということは一目見た時点で確信した
お店へ入るとコーヒーの香りが漂っていて、ミンソクを思い出してしまい少し収まっていた涙がまたじわりと滲んだ
注文はセフンが全部済ませてくれて、私は店員さんが離れるまでずっと俯いていた
こんなボロボロな姿、これ以上誰にも見られたくない
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K(プロフ) - オさん» ありがとうございます、嬉しいお言葉...(;_;)セフンの話がTwitterで短いけど公開していますのでそこで明らかになります！ありがとうございます、これからもよろしくお願いします！ (2018年7月8日 14時) (
レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
オ - すごく面白かったです！セフンが主人公のこの事好きなのかなーと思っちゃいましたwとりあえず、感動しました！他の作品も読ませて頂きたいと思います！ (2018年7月7日 22時) (レス) id: 7dfbf1448b (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - Kuma Satokoさん» 初めまして、コメントありがとうございます！とても嬉しいお言葉です(;_;)他の作品でもお会い出来ることを楽しみにしてますね(^o^) (2017年12月28日 23時) (レス) id: 16d69035ac (このIDを非表示/違反報告)
Kuma Satoko(プロフ) - 初めまして！Kさんの作品を読み漁っています(≧∀≦)こちらも一気読みして、興奮して鳥肌が…(笑)ミンソクさんステキ過ぎました(〃ω〃)素敵な作品ありがとうございます！また他の作品も読み漁らせていただきます！！ (2017年12月19日 13時) (レス) id: 03a0943bf5 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - kouさん» コメントありがとうございます！一気読みしてくれたんですね、嬉しいです(;_;)番外編も誰の番外編かはまだお楽しみ、にはなりますがいつか必ず投稿するのでお待ちください！ (2017年9月26日 23時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：K
| 作成日時：2017年5月29日 22時
