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「1人で帰せないですよ、いまのAさんのこと」
すごい情けないのにそう言われるとなんだか嬉しいと思ってしまう自分
ああ、ほんともう私ってば…
「大丈夫だよ、私大人だよ?」
「俺だってもう大人だよ」
少し怒ったように言い返したベッキョンくんに言葉が詰まった
そんなの、知ってる…知ってるよ
「Aさんに年下扱いされるの凄い嫌だ」
「え…?」
「いや、そりゃ良いことだってもちろんあるけど…なんか今は嫌だ」
今度は目をそらしながらそんなことを言う
何が言いたいのかイマイチわからない
でも機嫌が良くないことは流石にわかる
「Aさん、俺だって男だよ?そりゃあのヒョンみたいに男らしく無いかもしれないけど…もっと頼って欲しいんです」
あのヒョンって…ミンソクさんのこと?
頭ではそんな事を呑気に考えているけど心臓はやけに速く胸を打ち付けていた
「俺が弱ってる時傍にいてくれたじゃないですか」
さっきまで少し怒ってたくせに優しく微笑むから涙腺が緩んだ
視界が歪んだ
「だから今度は俺の番」
我慢出来ず涙が溢れ出した
それを見てベッキョンくんはあたふたしてるみたいだけど
これはさっきの涙とは違うよ
安心して、気が緩んだの
「怖かった」
「うん」
「凄い怖かった」
「怖い思いさせてごめんなさい」
ベッキョンくんのせいじゃないのに本当に申し訳なさそうな顔をする
でも
もう怖くない
道は暗くても
隣にはベッキョンくんがいるから
太陽みたいに明るくて、あったかいベッキョンくんがいるから
「帰りましょ」
微笑んでそう言うと私に歩くように促した
少しわがままを言いたくなってしまった
ほんとはもう怖くないけど
怖いから手を握っていて欲しいと
でもそんな事言う勇気は私には無い
だから少しだけいつもより近い距離を歩く
もし、私が年下だったら
そういう甘えた事も言えたのかな
ま、私の事だからどっちにしろ言えない気もするけどね
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K(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!他の作品もどうぞよろしくお願いします(^o^) (2017年2月20日 18時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すっごいよかったです!! (2017年2月19日 12時) (レス) id: 16c6a36ad1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - たまさん» ありがとうございます、嬉しいです(;;)頑張って更新してくのでよろしくおねがいします! (2016年5月3日 9時) (レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
たま - 今までみた作品の中で一番楽しく読めた気がします!べっちゃん最高です~~頑張ってください!! (2016年5月3日 1時) (レス) id: df63ab58aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:K | 作成日時:2016年3月26日 12時