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「Aさん、帰りましょうか」


微笑みながらそう言うと立ち上がったので私も立ち上がった
けれど隣に並ぶことは出来ず、ベッキョンくんの少し後ろを歩いてその後ろ姿を見つめる


…わざわざ私のために走ってここまで来てくれた
そんなの聞いて、ドキドキしない人いる?


電車の中でもベッキョンくんはずっと話しかけてくれて、私はそれになんとか答える
ドキドキしているのをなんとか抑えようと何度も深呼吸をした


「あ、ベッキョンくん…私凄い普通に一緒に帰っちゃってるけどチャニョルくんのとこ行かないと」


混乱とドキドキですっかり忘れていた
チャニョルくん可哀想すぎるでしょこれ…


「いや、うん、そうなんだけど…」


それに、待ってるのはチャニョルくんだけじゃなくて


「女の子、待ってるんじゃないの?」


そう言うと驚いたように顔を上げた
そしてちょうど駅についたので先に電車から降り立ち止まった


「ベッキョンくんありがと、送ってくれて!もう大丈夫だから、早く戻らないとだよ」


笑ってそう言った
平気だもん
ここから1人で家に帰って部屋で楽しいテレビでもみて早めに寝るんだ


ベッキョンくんがこの後女の子と一緒に遊んだりしたって平気
私はただのお隣さんだから、そんなの気にする方がおかしいでしょ?


ベッキョンくんはしばらくその場から動かなくて
ドアが閉まる寸前に降りてそのままポケットからスマホを取り出し電話をかけ始める
それを見ていることしか出来ずに立ち尽くした


「あー、もしもしチャニョラ?呼び出した上に勝手にいなくなって悪いんだけど…今日はごめん、このまま帰る」


驚いて顔を上げた
私のせいでそんなことさせる訳にはいかない…!


「ほんっとごめん!今度なんかおごる!!…え?いや、それは高すぎだろ馬鹿」


「ちょっと、ベッキョンくん…!駄目だよ戻らないと…!」


電話越しに声が聞こえてしまわないように小声でそう言うとベッキョンくんは電話をしていない方の耳を手で塞いで私に背を向けた


「え?あーうん、大丈夫。ではないけど大丈夫。……あぁ。うん。……わかった、じゃあまた」


電話を切ってしまった
私のせいだ
ベッキョンくんにはもちろんチャニョルくんにも、女の子たちにも悪いことをした


「大丈夫なのに、行っていいのに…」


今回ばかりは嬉しさより申し訳なさが大きかった
自分が弱いばっかりにこんな事になってしまった


自分が情けなくて、顔が上げられなかった

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K(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!他の作品もどうぞよろしくお願いします(^o^) (2017年2月20日 18時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すっごいよかったです!! (2017年2月19日 12時) (レス) id: 16c6a36ad1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - たまさん» ありがとうございます、嬉しいです(;;)頑張って更新してくのでよろしくおねがいします! (2016年5月3日 9時) (レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
たま - 今までみた作品の中で一番楽しく読めた気がします!べっちゃん最高です~~頑張ってください!! (2016年5月3日 1時) (レス) id: df63ab58aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2016年3月26日 12時

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