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「なん、で…?」


「Aさん、大丈夫?怖かった?」


しばらくぶりに見る、お隣さん
会いたかった
すごく会いたかった


でもどうして今なの?
こんな姿見られたくなかったのに


「ほら、早く駅行きましょ?」


何も言えずに、棒になったように立ち尽くす私の腕を引いて早歩きで進んでいくベッキョンくん
なんとか足を動かしてそれについて行くことしか出来ない私


駅につくまでの間、ずっと何か私に声をかけてくれていたのに私はそれに何も答えることが出来なくて
何も答えないのに、それでも私を安心させようとしているのか優しく声をかけてくれる


情けなくて、悔しくて涙が止まらなかった
前を向いて歩き続けてくれていることが救いだった


駅が近付き明るくなり始めた頃、歩く速度が緩まった
それでも私の手首を掴む手が緩まることはなくて


空いてる方の手でで何度も涙を拭った
泣いてるとこなんて見せたくない
年下の男の子にこんな姿見せたくない


駅に付くとようやく手が離れて、そして振り返った
目が会う前に私は視線を下に落とす
どんな顔すれば良いかわからない


「とりあえず、座りましょ」


近くにあるベンチを指さしたので、それに従って腰掛けた
隣に腰掛けるのかと思ったら座った私の前にしゃがみこんだので慌てて顔を横に向ける


「Aさん……ごめんなさい、俺がチャニョルのこと呼び出したから1人で帰ることになっちゃって」


「そんなのベッキョンくんがあやまることなんかじゃないよ」


1人で帰れない方がおかしい
でも、どうして…


「なんでベッキョンくんがあそこにいたの…?チャニョルくんといたんじゃないの…?」


チャニョルくんを呼び出したのに、ベッキョンくんが1人であの道にいたなんて、おかしいじゃん


たずねるとベッキョンくんはなんだかあ〜とかう〜んとか言いながら答えるのを渋っていた


なかなか答えてくれないのでてこっそり目を向けるとベッキョンくんと思いっきり目が合って心臓が高鳴った
意外にも私が逸らす前にベッキョンくんが視線を逸らした


「いや、あの、チャニョルに会ってからさっきまでAさんといたって聞いて…いつもの店って言ってたしあの店から駅までの道、すごい暗いから…Aさん1人だって聞いたら…気付いたら走ってたっていうか…」


顔を隠すことも忘れて呆然とベッキョンくんを見つめた


何それ
そんなこと言われたら、変な期待したくなるじゃん

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K(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!他の作品もどうぞよろしくお願いします(^o^) (2017年2月20日 18時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すっごいよかったです!! (2017年2月19日 12時) (レス) id: 16c6a36ad1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - たまさん» ありがとうございます、嬉しいです(;;)頑張って更新してくのでよろしくおねがいします! (2016年5月3日 9時) (レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
たま - 今までみた作品の中で一番楽しく読めた気がします!べっちゃん最高です~~頑張ってください!! (2016年5月3日 1時) (レス) id: df63ab58aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2016年3月26日 12時

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