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たぶん、たっぷり30秒は無言でベッキョンくんを見ていた
その言葉を理解するのにそのくらいの時間は必要だったから


「俺、Aさんが好きです」


もう1度はっきりとそう言ったベッキョンくんの顔がだんだんとぼやけてくるから下を向いた


「なんでっ……私こんなに頼りなくて弱くて、可愛くもないのに…なんで」


「俺にとってAさんは頼りになって強くて、でも脆くて、守ってあげたくなって…そして可愛い人ですよ」


涙がどんどんと目から零れ落ちて、ポタポタと膝の上で握りしめていた自分の手の甲に落ちた


信じられない
大好きな人から、こんな事を言われるなんて


「私こんな歳になっても暗いとこ怖くて…情けないのに…なのに強いなんて…」


「それでもボロボロになりながら俺のために走ってきてくれた」


「だってあれは…」


「ねえ、Aさん…俺はAさんに本当に助けられた。今度は俺がAさんを守るから…だから、傍に居させてよ」


ベッキョンくんの手が伸びてきて、私の頬を優しく包んで涙を拭いてくれた
視線を上げるとやっぱり優しい顔がそこにはあった


「なんで先に言っちゃうのさぁ」


泣きながらそう言うとオロオロしたベッキョンくんがいくつも零れる涙を両手で何度も拭った


「私が今日、ベッキョンくんに好きだって…言うつもりだったのに……」


涙が邪魔をして上手く喋れない
けれど構わず言葉を続けた


「ベッキョンくんの笑顔をずっと見てたい…無理して笑ってるのを見るのが辛いの…私が笑顔にしてあげたいって思ったの………ベッキョンくんが、好きなの」


言葉が終わるのと同時に強く引き寄せられて、ベッキョンくんに包まれた


「あ〜…Aさん無理、超可愛い」


「馬鹿にしてるでしょ」


「してない、ほんとに」


泣いている私をあやすように背中をさすってくれて、これじゃほんとにどっちが年上だかわからない
でも今は幸せすぎて、そんなこと考えている余裕も無かった


「Aさんが俺のこと好きだとかそんな自信少しも無かったから、嬉しすぎて外に向かって俺はAさんの彼氏だって叫びたい気分」


「気付かなかったの?鈍感だね…好きでもない人にご飯食べにおいでなんて言わない」


「弟みたいに思ってるのかと…」


「私に弟がいたらこんなに甘やかしません」


自然と目が合い、自然と笑い合った
あぁ、すごく幸せだ


夢なら覚めないでって
こういう時に使うんだ

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K(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!他の作品もどうぞよろしくお願いします(^o^) (2017年2月20日 18時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すっごいよかったです!! (2017年2月19日 12時) (レス) id: 16c6a36ad1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - たまさん» ありがとうございます、嬉しいです(;;)頑張って更新してくのでよろしくおねがいします! (2016年5月3日 9時) (レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
たま - 今までみた作品の中で一番楽しく読めた気がします!べっちゃん最高です~~頑張ってください!! (2016年5月3日 1時) (レス) id: df63ab58aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2016年3月26日 12時

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