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ベッキョンくんが私から離れるような仕草を見せたので腕の力を緩めると、あーっと小さく唸ってぐいっと自分の袖で目元を拭った


「もーほんとにAさんの前だと気緩む!」


笑った
今度は、さっきみたいな下手くそな笑い顔じゃなかった


「人前で泣いたの初めてだ」


「我慢しすぎなんだよベッキョンくんは」


ベッキョンくんはスッキリしたような顔で笑いながら私を見るのでドキッとした


「やっぱ確信した。Aさん、学祭終わった後覚悟しといてね」


「え?」


挑発的ともとれる笑みを浮かべながら言ったその言葉に胸がどくんと鳴った


覚悟ってなんの覚悟しとけば良いの?
笑いながらそう言いたかったのに目が合うとそんな強がりな言葉なんて出てこなかった


「なんか眠くなってきた…」


そう言いながらテーブルにこてんと頭を乗せるベッキョンくんを目で追うことしか出来ない
自分から抱き締めたりできるくせになんでベッキョンくんの一言にはこんなにドキドキして声も出なくなるんだろう


「べ、ベッキョンくん、寝るならちゃんと布団で寝ないと」


なんとか出した声は変に上ずっていたけれどベッキョンくんはそれにんー、と小さく返事はしたものの動く気配は無かった


「おーい」


「あ〜動きたくない〜ここにいたい〜」


「お隣じゃん、すぐだよ?」


バイトも詰め込んでたみたいだしお葬式とか色々あって疲れてるんだなぁ…
それなら尚更布団で寝ないとだ


「…うーん、駄目か」


「はい?」


「んーん、何でもないですよ」


テーブルに頭を乗せたまま上目遣いでこちらを見ながら微笑むベッキョンくんはやっぱりどこか挑発的で、鼓動が速くなる


そんな顔ばっかしないでよ
このままじゃ寿命縮まっちゃうから


「学祭終わった後の夜は空いてますか?」


「あ、うん、学祭行くって決めてたし予定他に入れてないから…」


「じゃあ俺の部屋に来てくださいね」


「え?」


「俺の部屋集合ー!んじゃ帰ります、まだ髪濡れてるしあったまってから寝てくださいね!おやすみなさい」


あんだけグダグダしておいてそう言うと私が何かを言う隙も与えず出て行ってしまった


学祭終わったらベッキョンくんの部屋?
打ち上げ的な何かならどっかのお店行くのかと思ったんだけど…


でも
2人きりで過ごせるなら、どこでも良い
ベッキョンくんに好きだと伝えられるなら場所はどこだって良いよ

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K(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!他の作品もどうぞよろしくお願いします(^o^) (2017年2月20日 18時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すっごいよかったです!! (2017年2月19日 12時) (レス) id: 16c6a36ad1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - たまさん» ありがとうございます、嬉しいです(;;)頑張って更新してくのでよろしくおねがいします! (2016年5月3日 9時) (レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
たま - 今までみた作品の中で一番楽しく読めた気がします!べっちゃん最高です~~頑張ってください!! (2016年5月3日 1時) (レス) id: df63ab58aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2016年3月26日 12時

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