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「母さんの病気前から良くなくて、最後に少しでも一緒に居られないかと思って俺の前に現れたんだって

それならそれで良いのに…わざわざ嫌われるような事言ってたのはすぐいなくなるのに優しくしたら辛くなるからって意味わかんない事も言ってたらしいし

それに俺が渡してたお金は使わずに俺の為に貯金してて
これから先貯金が無いとやってけないって…

自分のために使えばよかったのに…そしたらもう少し長生き出来たかもしれないのに
1度も会いに来なかったくせになんでこんなに俺のことばっかなんだよって…むかついた」


今度こそは泣きそうになるのをこらえた
私が泣いちゃ、駄目


「…俺母さんが死んだってわかっても、葬式出ても、1度も泣けなかった」


ベッキョンくんは笑った
今まで見た中で1番、下手くそな笑い方だった


「薄情なやつだな〜俺って」


「違うでしょ」


ぎゅっと1度目をつむってからベッキョンくんを真っ直ぐに見た
ベッキョンくんは少し戸惑ったような顔をして私を見ている


「泣いちゃいけないと思ったんでしょ」


私から目をそらして下に視線をずらしたベッキョンくんの腕に触れるとぴくんと動いたけれど視線はそのままだった


「何もしてあげられなかったのに、ずっと一緒に居なかったのに、自分が泣いちゃいけないって思ったんでしょ」


「何でそんな事…」


「ベッキョンくんはそういう人だと思ったから」


変に人の顔色を伺ってしまうんだろう
昔からそうしてきたんだ、仕方が無い事なのかもしれない
でも、今は違う


「我慢する事じゃないでしょ?…もっと一緒に居たかったんでしょ?本当はお母さんと一緒に暮らしたかったんでしょ?違うの?」


俯いていたベッキョンくんの口から小さく声がもれた
細くて小さい声だったのに私の耳にはしっかりと届いた


「……息子らしいこと、してあげたかった」


「うん」


「俺の心配より自分の心配しろって怒ってやりたかった」


「うん…」


「会えて嬉しかったって…言いたかった」


涙が零れる前に手で拭って、それからベッキョンくんをそっと抱き締めた


「大丈夫、きっと伝わってるよ」


小さく鼻をすする音が聞こえて、少し腕に力を入れた
きっとベッキョンくんは涙を見られるのが好きじゃない
こうしてると、私からはベッキョンくんの顔が見えないから


今まで我慢してきたもの全部、ここで吐き出せば良い
これで少しでも楽になれるなら
私はずっと傍にいる

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K(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!他の作品もどうぞよろしくお願いします(^o^) (2017年2月20日 18時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すっごいよかったです!! (2017年2月19日 12時) (レス) id: 16c6a36ad1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - たまさん» ありがとうございます、嬉しいです(;;)頑張って更新してくのでよろしくおねがいします! (2016年5月3日 9時) (レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
たま - 今までみた作品の中で一番楽しく読めた気がします!べっちゃん最高です~~頑張ってください!! (2016年5月3日 1時) (レス) id: df63ab58aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2016年3月26日 12時

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