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あの時、電話に出れなくても
会ったときにちゃんときいていれば良かったのに
前に言ってたじゃない
私には甘えてもいい?って
だからベッキョンくんは私に電話したんじゃないの?
それなのに私は…
「おい、A?」
電話越しに聞こえる声に我に返った
ここでうじうじしてたって仕方が無い
「ベッキョンくんはいつ帰ったの?」
「今日帰ったからそろそろそっち戻るんじゃない?」
「わかった、ありがとう」
そこで電話を切ろうとして思いとどまった
そしてゆっくりと息を吸って
「あのね、私ベッキョンくんが好きだよ」
そう伝えた
この人には、言っておくべきかと思ったから
少しの沈黙の後、ふっと小さく笑う声が聞こえた
「ま、そうだろうなって思ったよ。もし上手く行ったらこっちに挨拶来るんだろ〜?うわ、超気まずいじゃん!」
こんな私にそうやって笑ってくれるんだ
少し泣きそうになったけど、私が泣くところじゃない
そう思いぐっと堪えた
「上手く行くかなんてわかんないけど…ちゃんと伝えるつもりだよ」
「そうしてくんねえとフラれた俺が浮かばれねえよ」
「はは…ありがとね」
「良いからさっさと会ってこい」
「うん」
「それとあいつ、少しも泣かねえのな。ここにいた時と変わんねえの。愛想良くにこにこ笑って父さんと母さんに久しぶりって言ってたよ。色々我慢してるんじゃない?」
「うん…」
「それじゃ、頑張れよ」
「ありがと…それじゃまた」
そっと電話を切って深く深呼吸してから家を飛び出した
どこにいるかなんてわからないけど
ここに止まってることなんて出来なかった
雨が降ってるけどそんな事も気にしてられなかった
ただ、ベッキョンくんに会いたい
それだけの気持ちで駅へ向かって走った
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K(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!他の作品もどうぞよろしくお願いします(^o^) (2017年2月20日 18時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すっごいよかったです!! (2017年2月19日 12時) (レス) id: 16c6a36ad1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - たまさん» ありがとうございます、嬉しいです(;;)頑張って更新してくのでよろしくおねがいします! (2016年5月3日 9時) (レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
たま - 今までみた作品の中で一番楽しく読めた気がします!べっちゃん最高です~~頑張ってください!! (2016年5月3日 1時) (レス) id: df63ab58aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:K | 作成日時:2016年3月26日 12時