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「もしもし?どうした?」


「ねえ、ベッキョンくんがどこにいるか知ってる?」


挨拶をする余裕も無かった
嫌な予感しかしないんだ
もしかしたら、この人なら知ってるかもしれないと思ったのもその嫌な予感からの憶測


「え?いや、今はここにはいないけど…」


「今は?今はってことはそこにいたの!?」


「ちょっと落ち着けって、どうしたんだよ!」


大きな声を出されて冷静になった
私がこんなに取り乱したってどうにもならない
こんなんじゃ状況の把握も出来ない


一息置いて言葉を続けた


「ごめん…あの、ベッキョンくんの行方がわからなくなってて…それでもしかしたら知ってるんじゃないかと思って連絡したの」


「お前らがどういう関係なのかは知らないけど、なんも聞いてないの?」


「何も…」


「葬式行ってたんだよ」


その言葉に息が止まった
お葬式…?
それって


「誰の、お葬式…?」


「母さんだよ」


「だ、誰の?」


正確にはどっちの、だ
この人のお母さんなのか
それとも、本当のお母さんなのか


「あいつを産んだ母さんだよ」


…どうして?
少し前まで、お母さんのために働いてたって
なのに、どうしてお葬式に?


「前からか病気だったらしいよ。あいつそのためにバイト頑張ってたらしいし」


「う、嘘だ、だってベッキョンくんは…そんな事…」


男遊びが激しい人だったって
自分が稼いだお金で遊んでるって、そう言ってたじゃん


「病弱で1人では育てられなくて預けたらしいし最近まであいつにはその事言わないでって言われてたんだってさうちの母さんも。あいつが生活費届けに行った時部屋で倒れててそれバレたみたいだけど」


「それは、それって、いつの話…?」


「倒れてるのを見つけたのは2週間くらい前かな」


じゃあ、あの話を聞いた後だ
あの時はベッキョンくんはその通りのまま話してくれていたんだ


考えてみれば確かに2週間くらい前から来る回数が減ってた


そのせいだったの?
でも、そんなこと何も言わなかったじゃん
そんな素振りすら見せなかったじゃん


「亡くなったって連絡来たのがこないだの土曜。それから葬式終わるまでこっち来てた」


頭が真っ白になった
土曜って
チャニョルくんと飲みに行った日


そして、ベッキョンくんから電話がかかってきた日じゃないか

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K(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!他の作品もどうぞよろしくお願いします(^o^) (2017年2月20日 18時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すっごいよかったです!! (2017年2月19日 12時) (レス) id: 16c6a36ad1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - たまさん» ありがとうございます、嬉しいです(;;)頑張って更新してくのでよろしくおねがいします! (2016年5月3日 9時) (レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
たま - 今までみた作品の中で一番楽しく読めた気がします!べっちゃん最高です~~頑張ってください!! (2016年5月3日 1時) (レス) id: df63ab58aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2016年3月26日 12時

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