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突然のことに驚いてそのまま突き放そうとしたけれど強く抱き締められていて動けなかった


「ちょっ…ちょっと、ねえ、本当にどうしたの?」


「ヌナはベクばっかだ。3人で飲んでてもベクばっか見て俺のことなんて少しも見てくれない」


「何言ってるの…?」


「俺がヌナのこと好きだって、少しも気付いてくれない」


その言葉に私は突き放そうともがいていた手から力が抜けた


私の聞き間違いじゃなければ
今、私はチャニョルくんに


告白された


「好きじゃなかったら自分から2人で飲みになんて誘わない」


私の思考回路は正常に働いてくれなくて、チャニョルくんの言葉がぐるぐると頭の中を巡ってしまいにはガンガンと響き始めた


「チャニョルくん…私」


「やだ言わないで」


そう言われるとどうすればいいかわからない
この状況だ、言わないつもりだったけど打ち明けるしかないと思ったのに


「言わないでよ…今日だけでいいからこうさせてよ」


「駄目だよ、私…」


「わかってるから、見てたらそのくらいわかるから…あとちょっとこのままでいさせて」


本当なら突き放すべきだ
私はベッキョンくんが好きで、チャニョルくんの気持ちに答えることは出来ない


なのに私がそう出来ないのはチャニョルくんの真剣な目と言葉に、圧倒されてしまったからだ


こんなの、どっちにも良いはずがないのに
私の意志の弱さはここにもあった


どれくらいそうしていたのかはわからない
気付けば手の中で震えていたスマホも鳴りやんでいた


ゆっくりと離れて少しの間俯いていたチャニョルくんは唐突に顔を上げてぱっと明るい表情に変わったそれがいつも通り過ぎて面食らった


「はい、終わり!もうこんな事しない!ごめんねヌナ、びっくりしたでしょ?」


声が出なくて数回頷く私を笑って見ているチャニョルくんは強がっているようには見えなくて
それでもきっと、なんとも無いわけはないのに


「俺けっこう惚れっぽいとこあるからさ〜?でも人の恋路まで邪魔する気は無いから安心して!あ、やべ、終電間に合わなくなる!走ろ!」


そうまくし立てて私の手首を掴んで走り出した
いつも通り振舞ってくれるのはきっと私の顔を見たからだと思う


年下にまで気を遣われて情けないにも程がある
最近の私は涙脆いんだ、これはどうにかしないと駄目かもしれない

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K(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます!他の作品もどうぞよろしくお願いします(^o^) (2017年2月20日 18時) (レス) id: 2082ebeeaa (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - すっごいよかったです!! (2017年2月19日 12時) (レス) id: 16c6a36ad1 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - たまさん» ありがとうございます、嬉しいです(;;)頑張って更新してくのでよろしくおねがいします! (2016年5月3日 9時) (レス) id: c9ee003b2a (このIDを非表示/違反報告)
たま - 今までみた作品の中で一番楽しく読めた気がします!べっちゃん最高です~~頑張ってください!! (2016年5月3日 1時) (レス) id: df63ab58aa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:K | 作成日時:2016年3月26日 12時

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