204号室の彼 2

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2人は本当に眩しかった
バンドとは言っていたけど前に言っていたように他のメンバーは集まらなかったらしくて歌とギター1本で、それでも楽しそうに歌っていた


チャニョルくんが足を組みながらギターを弾く姿は惚れ惚れする
本当にかっこいい


ベッキョンくんは本当に楽しそうに、気持ち良さそうに歌う
そして、思っていた以上に歌が上手だった
少し鼻にかかったような特徴的な歌声もまた、魅力的


アップテンポの曲を歌って周りのテンションも上がり歓声も大きくなっていき、それにつられるように観客も増えて私は人に埋もれてしまった


こんな人混みじゃ気付かないだろうなって
そう思っていたのに


惜しまれながら最後の曲が始まり、しっとりとした前奏を聴いていた時、ベッキョンくんと目が合った


勘違いだと思ったけど、控えめに手を振ってみるとベッキョンくんも小さく手を振って、それから微笑んだまま目を逸らさない


苦しいくらい胸が締め付けられて、どうしようもないくらいベッキョンくんが好きで、涙が出てきた


なんでだろう、本当に最近はすぐに涙が出てくる
やっぱり歳かな


綺麗なバラードはチャニョルくんのギターとベッキョンくんの歌声が合わさって、聴いている人全ての耳と目を惹き付けた


ベッキョンくんの視線はいつの間にか私からは離れていたけど目を閉じて歌うその姿が綺麗で、私はいまだにベッキョンくんから目が逸らせないでいる


曲が終わってしばらくの静寂のあと、大きな拍手と歓声に包まれながら2人は挨拶をしてステージを後にした


頬を濡らした涙を拭ってその場から立ち去る途中も2人への賞賛の声と好奇の声を何度も耳にしたし、それを聞いて何故か私まで誇らしくなった


ベッキョンくんにはこの後会う予定だからチャニョルくんに興奮気味に感想とかっこよさを伝えるメッセージを送ると、数分後にテンション高めの返事が返ってきてこっそり笑った
本当に文字でも伝わってくる、チャニョルくんの元気の良さって


しばらく学祭をまわってみたけど1人だとそれにも限界があったのでベッキョンくんには先に家に帰ってるから戻ったら連絡をくださいという連絡を入れて家へと向かった


歩きながら、ベッキョンくんの歌声を思い出しては自然と頬が緩んでいた
本当に素敵な歌声だった


これから想いを伝える予定なのに私は何故か穏やかな気持ちでいられた
これもベッキョンくんの歌声のおかげなのかも

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