百万回死んだ猫。 ページ3
人生には、時々、思いも寄らない朝が来る筈だ。
例えば、登下校通路に有る踏み切りで不思議な大学生らしき姿に、名前を呼ばれたり。
例えば、図書館で突然自称「大学教授」に本を託されたり、不思議な出会い。
其れは、朝起きない限り、出会えないものである。
例え、夢でも、夢であって欲しくても。
そして、私はどうやら“誘拐”されてしまったらしい。
何故、私がどうして誘拐された。と思った理由は簡単だけれど、非常に難しい結論に繋がると思う。
朝起きて知らない場所。
記憶喪失?そんな訳無い。私は鳥頭では無いから。
私は誘拐はこんなにも、簡単な事なのかと感心するばかり。
「眩しい……」
白いシーツ、白い枕カバー、白い掛け布団。白い壁。白い展示。
一見、ベッドの上からするととてもシンプルながら潔癖性もとい神経質な人が好む部屋。
ベッドの右手。白いレースカーテン、青空の見える大窓。
左手には、少しばかり家具が多い。
ナチュラルブラウンのフローリング。
壁に埋め込まれた本棚(あまり、入らなそう)。
壁にくっ付いたデスク。
参考書、辞典類、パソコン、種類多様な文房具、ノート、タブレット端末数台が乗っかる。
めぼしい物は殆ど無い。
自分が着ている服、多分患者服を着直す。少し、大きい。
此処は、美味しい朝ご飯の香りが有るといいんだけど…私は能天気にボヤいた。
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作者名:園宮雨 | 作成日時:2016年12月16日 21時