4月1日…好きやで、嘘やけど【宮治】

嘘 ページ6

『すみません、忙しいときに話しかけてしまって』


治「全然ええよ、客足も落ち着いて休憩してたとこやしな。
律儀やなぁ、けどタメなんやし敬語はいらへんよ」



『ありがとぉ、ほな、タメで話すな』


侑に似とるけど、雰囲気がおっとりしとんねんなぁ





治「…ごめん、さっき嘘ついたわ」



え？





治「さっき、Aさんの名前知ってた理由ツムから聞いたって言うたけど、ほんまはその前から知ったったし、ずっと、見とった」



それって、



治「高一の頃から、ずっと好きやったから、
知っとった」



どくん




治さんとは、今日が初対面


せやから、好きやなんて言えん



それでも、彼の真剣な目は熱っぽくて


心臓が




跳ねた。


『っ…エイプリルフールは、ずっと前に過ぎたで』


ここでエイプリルフールを話に出すあたり、
あの時の告白は忘れることなく、思い出になってしまっている証拠だ。


治「それも、知っとる。
やから本気やねん。

すぐやなくていいから、
チャンスが欲しいねん。」



『…うん、ええよ』


治「ほんまか…！嬉しいわ、ありがとぉ」

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