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55話 ページ7

フジside

『フジくん…、頼っていい?』

泣きながら震えた声で問いかけられた一言に、ゆっくりと頷き返事する。

『あのね、お兄ちゃんのこと……嫌いに、なりたくない。どうしたら、いいかな?』

フジ「Aちゃんは、キヨのこと好き?」

俺がそう聞くと頷いて好きと言った。
仲の良い兄妹だからこその悩みだろう。

フジ「そっか。えっとね…今、高校二年生で、ちょっと反抗期が入ってきてるんだ。そのせいでキヨのことを嫌いに思えたり素直に受け入れられたりできないことがあると思う。」

『じゃあ……もっと、嫌いになるの?』

真剣に話を聞いていたが、疑問が浮かんだのか話が少しキリがいいところになった時に質問された。

フジ「……そうかもしれない。けど、お兄ちゃんもAちゃんがそう思っちゃうってこと話してあるから、キヨは理解してる。
少なくとも、キヨは嫌わないから大丈夫だよ。」

少し笑って良かったと呟いた様子がとても、小さい子供に見えてしまった。

『お兄ちゃんに…謝りに行く。フジくん、ありがとう。……もう一個お願いしてもいい?』
フジ「いいよ。なに?」

照れながら恥ずかしそうに、Aは言う。

『一人だと怖いから、着いてきて?』

可愛すぎて思わず赤面してしまった。
こんな妹が欲しかった。

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作者名:琥珀 | 作成日時:2018年12月28日 22時

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