50話 ページ3
フジside
幸せそうに、でも苦しそうにAちゃんのことを話すキヨ。好きなのが分かるからこそ、何も言えなくなった。
キヨ「……俺は、あいつに自分の力で行く方法を教えたい。正しい行き方を教えたいんだ。」
どう言うことだろうと思っていると、それを察したように話し始めた。
キヨ「あいつチャンネル持っただろ?」
フジ「うん、動画も見た。」
それを言うと、どう思った?と聞かれた。
お世辞にも面白いとは思えなかった。可愛らしいけれど有名になれるような動画ではないと思えた。その動画が、Aちゃんじゃないように思えた。
フジ「うーん。むずかしいこと聞くね。」
キヨ「俺は、つまらなかった。あいつらしさがなかった。」
キヨも同じことを思っていたのかと思って少し感心した。でも、誰が見てもそう思えるようなものだったと言うことだ。
キヨ「あいつは、俺の力を借りないで俺を超えるって言った。だけど、借りないでやったのがアレだった。」
……つまり。
フジ「キヨの力を借りないと何もできないってこと?」
キヨ「いや違う。俺を一切頼っちゃダメだと思っているんだ。何を頼っていいのか何を頼っちゃダメなのか…あいつは何もわかってない。」
いきなり離れようとしたのだから確かにわからなくて当然だろう。納得してした。
キヨ「その見極めを教えたい。その上で自分の力で行って欲しい。」
フジ「いい兄だね。わかった俺も協力する。」
ありがとうと言われる。
……本当は、ずっと兄離れをしないままでいて欲しいって思っているのだろうけど、キヨなりに頑張っているのだ。
フジ「キヨは本当に、いいお兄ちゃんだ。」
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作者名:琥珀 | 作成日時:2018年12月28日 22時