【アイナナ】 その時まで、輝いていて

７月９日　side天 ページ16

付き合ってさ、結構経つんだよね。

何気に、ちゃんと好きだし。何でもって訳じゃないけど、ちゃんとお互いに分かり合えてるって思ってたんだよ。

でもさ、僕の彼女は僕の誕生日を覚えていてくれなかったんだよ。

『え、何の日？』

あの言葉は、結構傷ついた。

大体僕が明日一日休みって言った時点で気づいてよ。

たまたまそうなったんじゃない。休みをとったんだ。

...Aが何か考えてくれてるかな、って思ったから。

＊＊＊＊＊
一日余っちゃった。暇なんだよね。
Aと一緒に居たかったけど、ちょっとイラついてるから、自分からは会いにいきたくない。
...そこら辺、散歩してこようかな。

＊＊＊＊＊
あ、ここ覚えてる。Aと来た帽子屋だ。
何かいいのあるかな...

「...！A？」

A「天君？！」

うわ、めっちゃ偶然。会いたくなかったはずなんだけど、会ったらどうでもよくなっちゃった。

「何してんの？」

A「...誕生日プレゼント、選んでる。」

え...覚えてて、くれたんだ。

天「そっか。何を買うの？」

A「帽子なんだけど、すごい悩んでる。」

いつものAなら絶対言わないのに。今日は素直だね。

A「うーん...どれがいいかな？」

天「Aが選んでくれた物なら何だって嬉しいよ。」

A「そう？」

当たり前でしょ。大好きな彼女が選んでくれたんだから。

A「...これだと子供っぽいし、これは上品すぎて服を選んじゃうし...」

やっぱスタイリストだね。こういう事させたら一流。

A「うん、これがいいかな。」

うわ。すごい。上品だけど場所とか服選ばなくても大丈夫なやつ。こういうの、欲しいよね。

A「あ、天君、今日の誕生日パーティー、来るよね？」

え？当たり前でしょ。主役がいかなくてどうするの。...てか、パーティーまで考えてくれてたんだ。

天「行くよ。」

A「ん。そしたら、小鳥遊プロダクションに７時ね。じゃあ、私ケーキ買いにいくから。また後で。」

あ、プレゼントくれないんだ。後で、ってことかな。

小鳥遊プロダクションって事は、アイドリッシュセブンのみんなもいるってことだよね。

僕はAと二人でお祝いでも良かったんだけど。

でも、今人生で一番、楽しみかも。

＿＿＿僕が勘違いしてたって事は、もう少しあとに知ることになる＿＿＿

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