【A3!】【碓氷真澄】貴方は運命の人じゃない。【茅ヶ崎至】 (ページ7)

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6°碓氷くんページ7

泣いて、泣いて泣いて…
泣き疲れた頃には、もう自分の部屋に戻る気力はなかった。

『…戻んなきゃ』

目元をゴシゴシと擦り、
ふらふらした足取りで部屋へと向かう。

私、自分の部屋とは逆方向に逃げた。

…また、彼処を通らなきゃいけない。

あぁもう、今日は本当ツイてない。

失恋するし、

お兄ちゃんの相手が中の上の女だし、

…これから毎日会わなきゃいけないし、

本当、サイアク。

『…あ、』

ふと、前を見た。
其処には意外な人がいた。

『碓氷、くん…』

碓氷真澄くん。

花学だけじゃなくて、他校の女の子にもキャーキャー言われてる人。

そんな彼が、どうして此処に…？

真澄「…佐倉」

『私の名前、覚えてくれたんだ。嬉し』

真澄「聞いたの」

『え…』

真澄「この部屋での事、聞いたの？」

『っ！』

碓氷くんの右手がお兄ちゃんの部屋のドアに触れる。
碓氷くんの視線は、ドアから私に向けられている。

真澄「ねぇ、聞いたの？」

『…うん、聞いたよ。お兄ちゃんといづみさんがシてるの。』

真澄「あっそ」

………

……何なのよその態度はっ!?
自分から聞いといて「あっそ」はないでしょ!?

真澄「ねぇ」

『何っ！』

半ばキレ気味に言う。
あぁ勿論お兄ちゃん達には聞こえないぐらいにはしてあるから…

真澄「俺と付き合って」

『………は？』