【A3!】【碓氷真澄】貴方は運命の人じゃない。【茅ヶ崎至】 (ページ2)

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1°理想のカップルページ2

『ごめんね？真澄…呼んでくれる？』

ほどほどの甘さを含んだ声で彼のクラスメイトに頼む。
快く了承してくれて、眠っている彼を起こして連れてきてくれた。

『真澄、一緒に帰ろ？』

真澄「……」

私の言葉も聞かず、教室を出る。
…けど歩くスピードを合わせてくれるから、真澄は本当に優しい。

「真澄くん超カッコいい～！佐倉さんマジ羨ましいよ～！」

「佐倉さんみたいな彼女マジで欲しいわー！碓氷そこ代われー！」

「ホント、理想のカップルだよね～」

廊下を歩いていると、そんな言葉が次々と耳に入る。
私が聞こえるぐらいなんだから、隣を歩く彼にもきっと聞こえてるはずだ。

『ふふっ。私たち、理想のカップルだって？』

真澄「…知らない」

『だから無理矢理起こしたのはごめんてば』

真澄は私の方を見てはいない。

そりゃそうか。

真澄は私の事なんか恋愛としては好きじゃないし、
私も、真澄の事は恋愛としては好きじゃない。

他人が聞いたら、きっとびっくりされるだろう。

…私たちは、恋人同士の振りをしている(・・・・・・・)

その理由は、今から一週間前の出来事だった＿＿＿＿＿＿