【宇髄天元】この恋、遂げてみせるよ【我妻善逸】 (ページ9)

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「不死川玄弥」ページ9

*

私がうじうじしている間に一ヶ月が経ってしまった。

お兄ちゃんのこと以外を除けば、私の学校生活はかなり順風満帆。

そう、お兄ちゃんのことを除けば

(なんか雨降りそう)

梅雨の時期に入り、空気は少しジメジメとし始め、教室では半そでを着る生徒が増えた。

私たちのグループにも少し変化があった

「玄弥ー! お昼一緒にどうだー??」

「おう、今行く!」

不死川玄弥くん

隣のクラスの子で、あの数学の不死川実弥先生の弟さん

射的が上手くてそれで県大会にまで行く強者。

見た目が不死川先生同様かなりいかついけど、中身は真逆。

「A…ち、ちかぃ…」

「え、そうかな?」

「これだけ人数増えると囲って食べるには狭くなるな…」

「うんうん、てことで我慢してね玄弥」

「うぅ…」

玄弥は女の子慣れしていないのか、はたまた思春期だからなのか、女の子が傍にいると顔を赤くすることが大半だ。

不死川先生(あの人)の弟とは思えない……

「お前それでもあの不死川先生の弟かよ!ウブすぎんじゃん!!?」

「うるせぇ!兄ちゃんを侮辱するな!!」

「いっった!!?ブツことないだろぉ?!」

「善逸も玄弥も落ち着けって!」

目の前で我妻先輩を殴る玄弥を見て血は争えないな、と確信した。

(まぁこんなことが出来るのもこのメンツ皆が昔からの顔なじみだからなんだろうな…)

一緒にいるうちに皆が教えてくれた

炭治郎、伊之助、玄弥、我妻先輩、アオイ先輩、カナヲ先輩

この辺りは昔からずっと一緒に育ってきたいわば幼馴染みみたいなようなものだそうで。

だからこんなに仲いいんだなって思ったし

そんな輪の中に私まで入れてもらって申し訳なさもあるけど、炭治郎とかはそんなの全然気にしないタイプだからありがたい。

ちなみに我妻先輩が教えてくれたのが炭治郎とカナヲ先輩が付き合っている、ということ。

あと我妻先輩自身が、炭治郎の妹さんの禰豆子ちゃんが好きだということ。

「たんじろぉ、禰豆子ちゃん不足だよぉ～」

「そんな事言われてもな……」

「善逸さんは少し抑えるべきですよ!」

「アオイちゃん冷たいっ! 俺もさぁ!そろそろ彼女とかほしいわけよ!」

ﾋﾞｼｯと炭治郎と伊之助を指さす我妻先輩

「なんっでお前らにできて俺にはできないんだよぉお!!」

そう叫ぶ我妻先輩の声は、昼食タイムの終わりを告げるチャイムによって半分遮られた