「キス」 ページ30
「なっ…ぁ…っ」
田中君はさぞ悔しく、そして辛い思いをしているのだろう。
「ん…ッ」
自分の好きな人が 目の前で ほかの男と口づけを交わす姿を
これでもか、と見せつけられているのだから。
「プハッ これでわかってくれたかな?」
「っ、はい……」
あまりの衝撃に田中君は小さな返事だけを残し、ここから立ち去っていく
部屋に残った私は思いっきり善逸の頭を叩いた
「いったぁあああ!!!?えぇ?!何!?なんで叩くの!?てか力強すぎじゃない??!」
「うるさい!!」
「なんで叩くんだよぉぉぉおお!!」
わんわん子供のように泣きわめく姿は、先ほど男に派手に牽制した同一人物だとは思えない
「キスすることなかったじゃない!田中君が可哀そうだよ!!あぁやって気持ちを伝えてくれたんだから、もうちょっと優しく…」
「だってその告白受ける気なかったんでしょ?」
「そうだけど!やり方の問題を言ってるの」
「振るのに優しくされたって相手も苦しいでしょ、その好意を受け取らないならしっかり断らないと。現にさっき言葉で言っても引き下がらなかったでしょ???」
「それは善逸が禰豆子ちゃんが好きって周りに周知されてるからであって……」
「ていうかなんで教えてくれなかったの?」
「何が??」
「このこと。俺炭治郎から聞くまで知らなかったんだけど?なんで隠してたのさ」
「…別に隠してるつもりもなかったし、たかが呼び出しの一つや二つ…んっ」
まただ
また善逸からキスをされる
っていうかこんな簡単にキスを許していいのか私
(……まぁ、ファーストキスではないからいいけどさ)
「今は仮でも俺の彼女なんだから、隠し事はなしだよ」
「!!」
不意にも今の善逸の言葉にドキッっとしてしまった自分がいる。
「……善処するわ」
「そこは素直にはいじゃないの??」
「…まだ完全に信用してるわけじゃないもの」
「厳しいなぁ」
「さ、教室に行きましょ。もうすぐ5時間目始まるよ」
そう言って足早に部屋から出て自分の教室に向かう
―…今の私は一体どんな顔をしているのだろうか
心臓の音がやけにうるさかった
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作者名:倉狩莉緒菜 | 作成日時:2020年4月26日 16時