「告白」 ページ29
この空間には私と彼しかいない
少し薄暗くて埃っぽい空気
「きゅっ急に呼び出したりしてごめん…!!あのっ、俺っ…」
"入学してからずっと、宇髄さんが好きです"
言い切った……そういう表情をする彼
「え……っと…」
「俺と付き合ってくれませんか…!!!」
目を閉じて頭を下げる田中くん
正直この人のことをあまり知らないし、入学してから会話をした回数もほんのちょっと。
そんな中で一体、私の "何を"?? "どこが"?? 好きになるの????
こんな中身ドロドロの真っ黒女の
どこが好きになるんだ どこを好きと思ったんだ
教えてほしい
「答えすぐに求めてないから!」
「えっ?」
「あ、いや、ほら!もっと俺のこと知ってからでいいっていうか…再来週に1.2年合同で海学習に行くだろ? その時に一緒に行動出来たらなって……」
「……ぁー」
そういえばそんなものあったっけ
(答えなんて、初めから出てるんだけど…)
「え…っとね、その…田中君には申し訳ないんだけど……」
田中君はタイプでもなければ一応、仮にも
なにより私の心を支配しているのはお兄ちゃんだ
だから返事は当然 "ごめんなさい" の一択。
そうおもって最初の言葉を言おうとしたとき
ガラガラッ っと少し乱暴に扉の開く音が聞こえると見慣れた黄色い派手髪が目に映る
「っ、はー…っ ちょっとその告白待ってくんない?」
「ぜっ善逸……?」
どこか余裕そうな表情をしているが顎から汗が垂れ落ちているし、どこか呼吸も少し荒い
「えーっと、キミ、何君?」
「え!?あ、おっ俺は田中…です」
「田中君ね。ごめんねお取込み中のところ、この子…Aは俺の彼女なんだ」
「え…っ」
にこやかに笑って田中君に向かってそう言い切る善逸
そんな彼をみた田中くんは動揺し、言葉が出てこない様子…
「ちょっと善逸…!!」
急に何を言い出すかと思えば…っ そんな事言ったらいずれ貴方の好きな人の耳にも入って誤解されてしまうではないか
「あっ我妻先輩は、中等部の竈門の妹が好きって聞いてたんですけど…!」
さっきの善逸に負けじとそう言って食い下がらない田中君
「あーもう、こうした方が早いか」
「ぅわっ…!」
善逸に急に腕を引かれたと思えば、気づいたときには唇から生暖かい体温が伝わって来た
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作者名:倉狩莉緒菜 | 作成日時:2020年4月26日 16時