「自分で自分を」 ページ26
*
「あれ〜!宇髄先生じゃーん!」
「えー!なんでここにいるのー?!」
あれから会話をしつつ、クラスまで段ボールを運んでくれたお兄ちゃんは私のクラスメイト達に質問攻め
一気にクラスが賑やかに。
「お前らの授業で使う教材運んできてたんだよ、ちゃんと勉強しろよお前らー」
「ﾊﾊｯ 了解で〜す!」
なんて軽いノリで話せるクラスの子たちがちょっと羨ましかったり…
(嫌だなって、思ったり……)
さっきまで幸せ過ぎてお花畑みたいな感じだったのに
一気にモヤモヤした感情がブワッっと湧いてきて
「宇髄先生、手伝ってくださったりありがとうございました」
ペコっと浅いお辞儀をして教室に入った
……さっきの態度、ちょっと感じ悪かったかな
って思ったりするし、なんだったらいやあの態度よくないよね!?って後悔している。
扉のほうをもう一度見てももうお兄ちゃんはそこには立っていなくて、きっと職員室か美術室に持ったんだろう
(……それか彼女のとこ、とか?)
…ﾊﾊｯ 我ながら自分を陥れる天才なのでは?と疑ってしまうね
自分で自分のテンション下げて病むってどんだけバカなの…
「むっ!!宇髄少女!運んでくれてとても助かった!!!ありがとう!!!!」
「あ、いえ…あのこれカギです!」
「うむ!」
予鈴のチャイムが鳴って教室に入って来た煉獄先生に 先程使った鍵を返して自分の席に着く
(早くお昼になーれ)
なんて昼休みのことを考えながら私は煉獄先生の授業に耳を傾けたのだった
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ある事件が起きたのは４時間目が終わった時
「A!!昼飯行くぞ!!早くしろ!!!」
なんて珍しく伊之助から私を誘ってきていた
「えっ、ちょっと待って!!」
グイグイ私の腕を引っ張っているけど私はまだ、お弁当も出していなければさっき歴史の時間に使っていた教材をしまってもいない。
「伊之助!Aが困っているだろ…!」
引っ張る腕を炭治郎が引き離そうとしてくれているが、伊之助の興奮は収まっていない
(さてはアオイ先輩に今日のお昼は天ぷらって言われたな???)
じゃなかったらこんなテンションじゃないでしょ!!
「今行くから待って!」
急いでノートと教科書を机の中にしまった時
グシャｯっと紙が擦れる音が聞こえた
「あれ?何か入ってる…?」
ゆっくり取り出してみると中くらいの紙が
「なにこれ…?」
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作者名：倉狩莉緒菜 | 作成日時：2020年4月26日 16時
