「私の中の悪魔」 ページ21
また 私の中の悪魔が囁くの
いいじゃん、せっかくこう言ってくれてるんだから
ここまでして言ってくれてるんだから
―【その好意に甘えてしまえ】…っと。
それがどれだけ罪深いのか
我妻先輩には好きな人がいる
彼に好きな人がいなかったらまた違ったかもしれない
「付き合っても、先生のこと好きなままでいいから」
「なんで……」
そんな優しくしてくれるんだろう
でも…同情でも この際なんでもいい
ずっと苦しかったのは事実
ずっと一人でこの気持ちを抱えて、溜めて、しまい込んで、大事に育んだのは私
だからこの苦しみを誰かと分かち合うなんて許されない行為だと、ずっとそう思ってた。
(本当はずっと苦しくて辛くて泣きたくて……ねぇ先輩……本当に、甘えていいの……?)
私本当にこの差し伸べられている手を 握りしめてもいいの??
本当にこの人の提案に甘えていいのかな
なんてそんな迷いや考えも、ふとあることを思い出して打ち消された
中学2年の……私が魔が差して兄にキスした日
その時に吹いた風が
「……はい…お願いします…」
今も、同じ風が吹いた気がする
「うん、んまぁ気楽にいこう?ねっ?」
私はこの瞬間、もう引き返せない気がした
「気軽…に」
私は罪のない
「とりあえずー…よろしく、"A"」
「!!」
(なっなに…!? 今のこの一瞬の胸の高鳴り…て、いうか!!!)
「な、名前……」
「ん?付き合うなら名前呼びって、定番じゃない???」
「…そうなんですか?」
「え、そうでしょ?! ていうか敬語もなしでいいからね??」
「ぁ…いやでも……」
「いいから!ほれ、言ってみ???」
さっきまで私の心の中はシリアスみたいな空気みたいだったのに、、、
一瞬でこの人のペースに持っていかれてしまった
「あっ我妻…さん…」
「はいぃぃい!? 苗字!!??まさかの苗字!?なんで苗字なんだよ!!普通そこは名前でしょ!!」
「えぇ……」
なんていうか名前呼びって意識して言うのは恥ずかしい…
「仮にも俺彼氏になるんだよ!?」
「あぁもうわかったわよ!善逸!!!」
「!!」
「こっこれでいい…でしょ……」
「赤くなってるAちゃん、可愛いね!?」
「〜〜っ」
まぁ、でも
(ちょっと元気でた…かな)
これはこれで、案外悪くはないのかもしれない
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作者名:倉狩莉緒菜 | 作成日時:2020年4月26日 16時