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「なんとなく」−善逸side− ページ19

「………っっえ!!?」





あまりの衝撃的事実に次の言葉が出るまでに少し間が空いてしまった



いやでもこれ普通に驚くよね!?!?


"血の繋がりがない"?? それ本当…?




だとしたらその恋はっ…いやでも宇髄さんには既に恨めしいほど美人な彼女が…!!




(っでもでも、この様子じゃAちゃん宇髄先生に彼女がいることを知らない…)







どのみちその恋は……






「私とお兄ちゃんは本当の兄妹じゃないんです

私が小学2年生の時、お母さんの再婚相手が連れていた人の子供がお兄ちゃんです。


私の今の父親は本当の父親じゃありません」




「そう…だったんだ…」






まさかそんな事情抱えてるとか!!!


重い……重すぎる……こんなの抱えて今まで生きてきたの?この子。



しかもその環境の中で宇髄先生が好きって…





(…やばい…色々試行錯誤してたらなんか…っ)




なんか




「…我妻先輩?」





少し下がっている眉毛、潤んでいる瞳、不安げな表情





「…っ」





(…俺が、守ってあげなきゃ……)




なんとなく、そういう気持ちが湧いてしまった


その気持ちは一度湧くと中々引っ込んではくれないことを


俺は知っている






「我妻先輩」


「…何?」





「お兄ちゃん、好きな人…いや……彼女、いたんですね」






絞り出すような声でそうつぶやく




(あぁ…そんな顔、しないで…)






一度そう思ってしまえばその気持ちは抑えられない。



真実を伝えてさっさと先生なんて諦めてしまえばいい


そしたらもうそんな顔や音を出したりしなくなる…?



人一倍そういう音に敏感で今までいろんな音を聞いてきた俺が、Aちゃんのこの音を聞き逃すなんて……出来ない…







「うん、いるよ

この学校の購買の売り子さんと食堂担当してる人たち」



「!!!!」



「あー…Aちゃん……知らなかったんだね」


「……はい」





(あ……またこの音…っ)



さっきより重みが増した音





本当に知らなかったんだ


っていうか宇髄さんさぁーあ!!! 兄妹で!!しかもあんっなに、仲がいいならさぁ!!

普通恋バナの1つや2つすんだろ!!??!普通!!!


そう!!ふ・つ・う!!!!



(なんでそんな事もいってねぇのかなぁ!!!)





言ってたらこんな風に…!!









「…ねぇAちゃん」


「はい…?」




「俺と付き合わない?」



「…へっ?」






ただちょっと同情してしまっただけだ


こんなかわいそうな子をほっておけないと____

「可哀そう?」→←「言っちゃえ」


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設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸 , 倉狩莉緒菜   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:倉狩莉緒菜 | 作成日時:2020年4月26日 16時

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