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「曲」 ページ13









「それじゃ今日はここまでだ。来週までにこの曲ができるようにしておくように」





「疲れたな…」



「アコギってこんなにも指を駆使するんだなぁ…」っと弦を抑えていた左指を見る炭治郎。




「最初のうちは指が弦に慣れないと痛いかも…私も痛くて、皮とかよく剥けてた」


「皮がめくれるほどなのか…!」

「ずっとやってるとね」


「へへ!俺様はもう皮めくれたぜ!!」





どうだと言わんばかりに左指を見せつける伊之助



(そりゃあんなに力強く押さえつけてたら一回でもめくれるか…)




けど強く押さえつけれるということはコードがちゃんと抑えられてたらいい音が鳴る、案外伊之助は良い素質を持っているのかもしれない


……集中力を除けば、だけど。






「しかし来週までにこの曲を覚えなくてはいけないのか…覚えきれるだろうか」


「不安?」

「あぁ」


「……今度うちくる?もちろんみんなで」

「えっ?」

「うちに何本かギターあるから、課題曲練習する??」


「いいのか!?」

「うん、私は全然」



「それはありがたい!な、伊之助!」





嬉しそうに伊之助に同意を求める炭治郎





「仕方ねぇな!子分の成長を見守るのも親分の役目だ!!」

「子分って……とりあえず、急だけど明日とかどう?」



「明日なら俺は平気だ!店が定休日だからな!」

「俺様はいつでもいいぜ!!」


「じゃぁ決まりだね〜!じゃ、私もうちょっとギター触ってから行くから炭治郎たちは先に帰ってて?」



「わかった。それじゃぁまた明日」


「じゃぁな!」

「うん、ばいばーい」




音楽室から出ていく2人の背中を見送って、私は先程触っていたアコギを再び持った






「……ほーんと、懐かしいな」





私にギターを教えてくれたのも、好きにさせてくれたのも全部お兄ちゃん。





呼吸を整えて、久々に弾き語りをした








お兄ちゃんに初めて教えてもらった曲。





(お兄ちゃんが美術室にいたら聞こえちゃうかな)






音楽室と美術室は同じフロアにあって、一つ教室を開けただけの距離





(聞こえてもいっか、この曲なら。)





"この曲なら"聞かれたところでどうってことない







「……ふぅ」




一曲歌い終わってもそのまま続けて今度は先程より小さな声である歌を歌った







昔 何曲か自分で作詞作曲をしたことがある



……全部お兄ちゃんに宛てた歌だけどね






でも…どうしても……






今その歌を歌わないと気持ちが暴れだしそうなの

「私だ」→←「アコースティックギター」


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設定タグ:鬼滅の刃 , 我妻善逸 , 倉狩莉緒菜   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:倉狩莉緒菜 | 作成日時:2020年4月26日 16時

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