【宇髄天元】この恋、遂げてみせるよ【我妻善逸】 (ページ12)

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「アコースティックギター」ページ12

避けるようになったのは私で、でも兄はそれでも話しかけようとしてくれていた。

けどお兄ちゃんは２０歳になった途端家を出て行ってしまった

その瞬間、私にはどうしようもない気持ちだけが残り兄が出て行ったその日はろくに食事も取れなかった。

それ程兄を好きになっていた

好きで好きでたまらくなって、自分の気持ちを抑えるのに必死で

お兄ちゃんは家を出て行った

会いたくても会えない

つい数日前までは一緒に暮らしていつでも会えたのに、それが逆に辛かったはずなのに

(会えない方が辛くて、苦しくて)

だから私はあの夏の日……あんなことを…してしまった。

「A!」

「! どうしたの?」

炭治郎に呼びかけられてハッっと意識が現実に引き戻される

「響凱先生が友達同士で練習していいって言ってたから、伊之助も連れてAに教えてもらおうかと思って」

「いいだろうか?」と、子犬のように見つめられては断りづらい。

まぁ、断るつもりもなかったけどさ

「よーし!Aちゃんが張り切って教えてあげよう!」

「頼もしいな!な、伊之助!」

「なんだこの木の音の鳴るやつ!」

「伊之助また説明聞いてなかったでしょ……」

「よくわかんない事言われても俺がわかるように言いやがれ!」

「じゃぁわかるように言うから、とりあえずこれ、ピックもって!」

「んだこのちっせぇやつ!!」

「これはピックって言って、ギターの弦を弾くときに使うの。で、ギターはこうやって持って!」

私の持ち方を真似て２人がギターを持ち変える

伊之助はこの楽器に興味があるのかな?いつもより大人しく私のいうことを聞き入れてくれる。

ありがたいことだ

「響凱先生がコードの読み方とか教えてくれてたと思うけど、配られたプリントを見れば抑え方とか抑える場所がイラスト付きで乗ってるから、基本はそれを見ながらやってみて?

それでもわからなかったら私が教えてあげるから

あぁあと因みに例としてここのCコードはここと、ここの指を…」

「おぉ!!こうか!!」

「そうそう! それであってるよ炭治郎!」

「権八郎に出来て俺に出来ないわけがない!!」

「権八郎って誰?!炭治郎ね!!んじゃぁ伊之助もCコード抑えてごらん」

「ﾋﾋｯこうだ!!!」

「おーすごいすごい!ちゃんと抑えられてる」

「どうだ!!俺様だってやればできる!!!」

「じゃぁ次はこのコードね～」

*