-13- ページ14
･
「はい、今回の報酬です」
「毎度ありー」
「どうでした？」
「ん？あの子？」
「ハイ」
「なんてことないただの女子大生でしたよ。なぜ、狙ったのかすらわからない」
「残念ながらクライアントの情報は開示ができませんからね」
「別にいいっすよ。どうせくだらない仲違いでしょう。」
「本当に。お金持ちのお嬢様の考えることはわかりません(笑)それはそうと、お見事でした。既婚者設定」
「あぁ、あーいう年代の子は俺くらいの歳だったら既婚者の方が食いつくって決まってますからね。セオリーっつーの？」
「そこに、アカデミー賞級の演技ですからね。」
「演技力じゃないのよ。場数？何人相手してきたと思ってんのよ(笑)」
「私もカウントされてますか？」
「どうかな。数えたことなんかない。」
女は笑う。
男も嗤う。
「本当に執着しませんね、あなたは」
「そんな感情、持つだけ無駄だね」
「さすがです。高いだけある」
「金さえ払って貰えればね。金額に見合った仕事をしますよ、俺は。」
「じゃあ、早速次の仕事を。」
「次はもっと骨のあるので頼むよ。暇つぶしにもならない。」
男は、グン、と距離を詰め、
女は、男の意のままに組み敷かれる。
「とりあえず、暇つぶしさせろ」
そしてそのまま、会話は途切れた。
･
･
･
この世界には、その存在が永遠に明かされることはないことを生業とする人間もいる。
お望み通り、演じてみせましょう。
お望み通り、壊してみせましょう。
ただし、
成功報酬は、しっかりと頂きますので。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰそこんとこ、お忘れなく。
Fin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 660人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
