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「やっほーロナルド、お招きセンキュー!」
「おぉ、Aまで…何それ?栗きんとんの集合体?」
「ジョンくんだけど…。」
「ごめんA、可愛いよ!」
「それはそれでキモイ。」
「ウエーーン!!!」
今日はドラルクさんに招かれたハロウィンパーティーの日。俺なりに仮装してきたのに栗きんとんの集合体と言われめちゃくちゃ萎えた。
「……ジョンくん、おいで。」
「ヌ、ヌー!」
ロナルドが叫び散らかして、皆がガヤガヤとする中でどこか困惑気味のジョンくんを抱えあげる。
ロナルドの足にしがみついていた彼は、俺を見て不安そうにヌーと鳴いた。それもそのはずだ。
「やっぱり違うか。皆、軽い催眠状態なのかもなぁ…。悪い人では無いと思うし、というかこんなにそっくりに……。」
「はーいAくん。ハッピーハロウィン〜!」
「うわっ!ドラ、ルクさん……。ハッピーハロウィン。似合ってますねその仮装。」
音もなく現れたドラルクさんに、俺は割とガチでびっくりする。ジョンくんは俺の手から離れようとしない。
「…………ふふ、このビンゴカードを渡しておこう。豪華賞品が当たるビンゴだよ。ジョンもどうぞ。」
「ヌ、ヌヌヌヌ……。」
俺とジョンくんが受け取ったのを確認すると、ドラルクさんは満足そうに笑った。
ふわりと香るどこか安心感のある、穏やかなおばあちゃん家みたいな匂いの裏に仄かに香る知らない匂い。
「ま、ドラルクさんのドッキリかも。ビンゴ何が当たるだろうね、ジョンくん。」
「ヌゥ……」
ジョンくんは俺を見上げると、少し残念そうに顔を顰めた。この顔あれだ。ドラルクさんが「この人頭いいんだよね?」と困惑気味にロナルドに聞く時の顔だ。
と、ジョンくんとのんびりお菓子を食べている時。
気付けば周りはビキニだった。
今夜も新横浜はポンチの溜まり場となっている。
「な、何故ビキニにならない!」
「すみません……。」
吸血鬼マイクロビキニは困惑気味に、そして屈辱だと顔を歪めた。すみません、俺も着たいんです。
「あ、でも皆着てるし俺も……。」
と、マイクロビキニに手を伸ばしたところで、ドラルクさんは動いた。
「ビンゴカードはお持ちかな?」
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作者名:404 | 作成日時:2023年9月25日 17時