【ドラルク】災い転じて福にはならねぇ【吸死】 (ページ2)

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「というわけで、帰国早々バタバタしてまして。」

‌ ‌事態がひと段落した後、夜明けまでの間ギルドでは俺の帰国を喜ぶよりも、自身の性癖を暴露した傷跡を慰めあう様子で溢れていた。

「なるほど、それで皆歩くY談に。面白かったし良いですけどね。」

‌ ‌どうやら、吸血鬼Y談おじさんという、ふざけた名前だが強力な催眠使いの仕業だったらしい。
‌ ‌なんとかボコボコにしてVRCへ送ったが、退治人(ハンター)の皆は辟易としている。

「なんっっにも面白くねーーよ！！」

‌ ‌まず、俺の隣に座った彼は綺麗な銀髪を揺らして、俺に凄んだ。

「巨乳星人(笑)。」

「なにか言いましたかねェ？？？？」

‌ ‌顔を真っ赤にしながら凄み、黙せようとするロナルドの精神の図太さに思わず苦笑を浮かべる。

「おー、こわ。……そうだ、これお土産。ドラルクさんも良ければ。マスターこれここ置いといて良いですか？」

「えぇ。もちろん。わざわざありがとうございます。」

‌ ‌ここに持ち込んだ大きな紙袋から、次々と土産を出していく。基本は消費しやすいお菓子だが、それぞれ好きそうなものを選んできたのだ。

‌ ‌一際大きな大容量の物を、マスターに渡す。これで今日居ない退治人(ハンター)達の手にも渡るだろう。

「おや、どうも。ジョン、美味しそうな飴だよ。」

「ヌヌヌヌ！」

‌ ‌そして、何故か俺の右隣に座るドラルクさんとジョンくんを見やる。

‌ ‌ロナルドとコンビを組み、同じ事務所で2人と1匹で暮らし始めたらしい。
‌ ‌どういうこと？？？と素で聞いた俺に、ロナルドは黙ってロナ戦の2巻を手渡した。これは後で読もう、と有難く受けとって。

「あ、Aですよろしく〜。」

‌ ‌そういえば名乗ってなかった。と、左隣でミルクを飲むドラルクさんに笑いかけた。

「軽っ。お前、一応相手は吸血鬼だぞ。」

‌ ‌ロナルドが俺をこづいた。

「ロナルドがコンビなら大丈夫かなって。あとジョンくんが可愛い。」

「ヌ！ヌヒヒ♡」

「かわわ……♡」

‌ ‌口元に手を当てるジョンくんが可愛くて、俺も思わず口元に手を当てて笑った。