朝を憂う【ONEPIECE】 (ページ26)

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未だ咲かぬページ26

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『何よ充実しちゃってェ〜ッッ!! こちとら毎日むさ苦しい男共に囲われてナンパもロクに出来ないのよ!! アタシだって可愛子ちゃんとデートしたいわ!!』
「うるさ……」
『ムキィーーッ』

　電伝虫から聞こえる金切声に耳を塞ぐ。声を聞いただけなのに化粧の濃い男の顔がありありと浮かび息を吐いた。

　電話の相手は昔仕事を受けて以来付き合いのある商人で、今日は転職(・・)の報告を。本当はもっと早くにするつもりだったが、中々電話が繋がらなくて遅くなってしまった。

『ごめんなさいねェ～、最近予定が立て込んじゃってて。事業拡大と違反客の追っ掛けで大騒ぎなのよォ』
「新しい商売でもするの?」
『そ。武器類の枠を大幅に増やして服飾品の品揃えもガラッと変えたわ〜。詳細はまた紙に出すから見て頂戴ね』
「……私、今船に乗ってるけど」
『問題ないわァ、うちの配達員は優秀なの♡ そうよAちゃん、あなたのボスにもアタシのこと紹介しておいてくれる? 本当は挨拶に行きたいんだけど、落ち着くまでまだ少し時間が掛かりそうなのよォ』
「いいけど、彼ぼったくるには向かないわよ」
『やァね～～～～ッ心配しなくてもアンタの飼い主に手出しゃしないわよ!』

　別に飼われているわけでもないし、そんなことを心配してもいないのだが。

『まさかAちゃんが海賊になっちゃうなんてねェ。感慨深いわ〜、船旅楽しんでる?』
「それなりに。慣れないことばかりだけどね」
『うふふ、アンタにはきっと良い経験になるわ。その調子で恋の一つでもしてご覧なさい』
「……。ねえアドリアーナ、聞きたいことがあるの」
『なァに?』
「恋って何?」

　ガッシャン、と酷い音がした。