30話 凧揚げ ページ30
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数日後。
「どうしたもう終わりかァ！！！？」
「いやちょ、待っ」
「血反吐吐くまで刀振れ！！！」
がきん、と真剣同士がぶつかる。ニタリと笑う実弥の顔を見ながら、私はおはぎを口に突っ込んでやろうかと考えていた。
体が鈍っているかもしれないと相談したところ、実弥が見てやると言ってくれたので、かれこれ午前中からずっと剣を交えているわけなのだが、一向に終わる気配がない。
彼が本気で来れば、私なんぞ一瞬の命。おそらく腹七分くらいまで手を抜いてもらっている。それでも私は汗まみれ。この前の煉獄さんよりもきつい。
「柱になるんだろうがァ！」
「言ったけどさ！？」
こうして柱と剣を交え、指南を受けられる人間は少ない。とても貴重な経験だとはわかっているが、そろそろ休憩にしたい。
ふっと体を沈める。地に両手をつき、それを支点に体をぐるりと捻った。実弥の足元目掛けて蹴りを放つ。
触れる寸前に実弥が上に跳ねた。躱された。
だがこれは想定内。その捻りの反動を使い、低い姿勢のまま、一度後ろに下がる。腰に力を込めて飛び、一瞬で空中の彼に距離を詰めた。驚きで実弥の目が見開かれる。
「てめ…っ！」
「休憩に…しろおおおお！！」
肘を思い切り、鳩尾にねじ込む。ぐぅっ、と息を吐いた実弥の声をきいて、してやったりと笑った。
二人同時に着地し、鳩尾に手を当ててしゃがみ込んだ実弥を見て、私はふふんと鼻を鳴らした。
と、そこにぱちぱちと拍手の音が響く。
「見事な肘突きだった！不死川を相手にここまで互角に戦えるとはな！さすがAだ！！」
そこには、なにやら大きな物でも入っているのか、風呂敷包を持った煉獄さんが立っていた。
ずっと見ていたのだろうか。いつからいたんだ。
「見てんじゃ、ねえ…っ」
「見取り稽古というものがあってだな！」
「テメェは俺が悶える姿を見るのが楽しいってか」
「ははは！！」
実弥がじろりと殺意のこもった目で、煉獄さんを睨みつける。煉獄さんは全く動じていない。
「煉獄さん、何しに来たの？」
「先日、凧揚げ勝負をすると約束しただろう！」
「え、今から？このきっつい稽古の後？」
うむ！と力強く頷く煉獄さん。とりあえず汗を拭かせてほしい。
「不死川！後で話したいことがある！！」
「…俺からじゃねェ。Aが頼んだ稽古だ」
「よもや！君は俺の思考が読めるのか！」
…なんの話だろう。
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かんみ(プロフ) - だいふくさん» だいふくさん！！毎作愛情が湧き上がってるんですけどこの作品は思い入れが特にあるので是非堪能してやってください(泣)いえ、私なんぞまだまだです、精進します...！！ありがとうございます！ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: f3524979ff (このIDを非表示/違反報告)
だいふく - 続編楽しみにしています！！本当に、夢主と煉獄さんの関係がなんともいえず儚く美しくて、話も切なくて既に泣きそうです。かんみさんの語彙力と文才が素晴らしすぎて毎回感動しています。何度でもいうけど大好きですー！！ (2021年1月12日 13時) (レス) id: 914794939f (このIDを非表示/違反報告)
かんみ(プロフ) - ヒカルさん！コメント嬉しいです！またお会いできて舞い上がってます〜！構成の都合上、煉獄さんと仲良くなるのがゆっくりですが段々糖度あがっていく予定です(ふふ)。 (2021年1月10日 17時) (レス) id: f3524979ff (このIDを非表示/違反報告)
ヒカル(プロフ) - 本当にかんみさんの作品好きすぎて、更新されるたびにキュンとニヤニヤが止まらないです。笑、これからも頑張ってください＾＾ (2021年1月10日 14時) (レス) id: f04d7ddf7d (このIDを非表示/違反報告)
かんみ(プロフ) - ユリアさん» 初めまして。ユリアさんコメント嬉しいですー！私も作品読ませて頂いてます(歓喜)。胸がいっぱい...、ありがとうございます！頑張りますー！ (2021年1月9日 13時) (レス) id: f3524979ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かんみ | 作成日時：2021年1月1日 16時
