3話 ページ3
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「足元だ！！！飛べ！！」
煉獄さんが私の方を振り向いて叫ぶ。
その声と同時に、地面から牙のようなものが大量に放出された。飛び上がって避けたが、腕に掠った。ぶしっ、と血が噴き出る。着地して、すぐに抜刀し、構えた。
煉獄さんはすでに鬼本体を見つけ、対峙していた。
先程の騒がしい雰囲気は消えていて、ただ、静かに鬼と向き合っていた。しかし、近寄るだけで圧倒された。私が出る幕もないと言ったようなものだ。
「お前が、麓の村の人たちを喰った鬼か」
「ヒヒ、美味かったぞォ、あそこは活きがいい村だったァ、赤ん坊も女もたくさんいたァ、あいつらが一番美味いんだァ…ヒヒ、ヒヒ」
「…罪もなき人を殺し、その汚れた腹に吸収しながら、何も悔い改めぬその業！なぜ命を踏みつけにする！少しも理解できない！」
「鬼狩りめェ、鬼狩りめェ…さっさと死んで俺の餌になれェェ！！！！」
鬼が腕をひと振りした瞬間に、さっきとは比べ物にならぬ数の牙が、四方八方から飛んでくる。
冷や汗が出た。
この速さ、威力。避けきれなければ、先程の傷もあって、失血で戦えなくなる。
落ち着け。私は、風だ。風になるんだ。
風は、攻撃にも防御にも強い。息を吸え。
再び、地を蹴って空中に舞う。常中を会得したときの修業を思い出せ。
「風の呼吸、参ノ型」
ーーーーー
自身の周囲を竜巻のように連続で斬りつける。牙は避けきった。本体の頸を斬らなければ。すぐに煉獄さんのいる方向に走り寄った。瞬間、
「ーーー炎の呼吸、伍ノ型」
空気が揺れた。周りが一気に明るくなる。山火事のようだ。炎が揺らいだ。無意識に目を引かれる。
「炎虎！！！！！」
猛虎のごとく、刀が振り上げられた。瞬きする間に、鬼の頸は斬られていた。
圧巻の剣さばき。
「ギャッ！！！！…死ぬ、のかァ……！！」
ぼろ、と鬼の体が崩れる。私が呆然としている間に、煉獄さんは刀についた返り血を振り払い、美しく納刀していた。
思わず息を呑むくらい、綺麗だった。
煉獄さんは私に歩み寄り、にこっ、と笑った。頭をぽむぽむと撫でられる。
「先程の防御、良い動きだった！君の剣技は美しいな！常中もできているようだし、感心感心！さあ、腕の傷を見せなさい。だいぶ出血している」
「…大丈夫です、これくらいすぐ止血します」
立ち上がろうとすると、ぱし、と腕を掴まれた。
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かんみ(プロフ) - だいふくさん» だいふくさん！！毎作愛情が湧き上がってるんですけどこの作品は思い入れが特にあるので是非堪能してやってください(泣)いえ、私なんぞまだまだです、精進します...！！ありがとうございます！ (2021年1月12日 19時) (
レス) id: f3524979ff (このIDを非表示/違反報告)
だいふく - 続編楽しみにしています！！本当に、夢主と煉獄さんの関係がなんともいえず儚く美しくて、話も切なくて既に泣きそうです。かんみさんの語彙力と文才が素晴らしすぎて毎回感動しています。何度でもいうけど大好きですー！！ (2021年1月12日 13時) (レス) id: 914794939f (このIDを非表示/違反報告)
かんみ(プロフ) - ヒカルさん！コメント嬉しいです！またお会いできて舞い上がってます〜！構成の都合上、煉獄さんと仲良くなるのがゆっくりですが段々糖度あがっていく予定です(ふふ)。 (2021年1月10日 17時) (レス) id: f3524979ff (このIDを非表示/違反報告)
ヒカル(プロフ) - 本当にかんみさんの作品好きすぎて、更新されるたびにキュンとニヤニヤが止まらないです。笑、これからも頑張ってください＾＾ (2021年1月10日 14時) (レス) id: f04d7ddf7d (このIDを非表示/違反報告)
かんみ(プロフ) - ユリアさん» 初めまして。ユリアさんコメント嬉しいですー！私も作品読ませて頂いてます(歓喜)。胸がいっぱい...、ありがとうございます！頑張りますー！ (2021年1月9日 13時) (レス) id: f3524979ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かんみ | 作成日時：2021年1月1日 16時
