秘密の恋*24* ページ25
ちょたは目を見開き
長太郎「そんな事言わないで...」
その瞳が揺れる。
A「分かってる?私達の関係は、周りからしたら有り得ない事なの。
人に見られた時点で...終わりよ」
重ねられる手から抜けようとすれば
・
その手は強く握られた。
A「っ...ちょたっ...」
長太郎「っ...俺から宍戸さん達に話すから...」
A「...何て話すの?付き合ってますって言うの?」
長太郎「そ、それは...」
握られる手の力が緩み、私はその隙に手を振り解く。
A「...無理だったんだよ。私達が、恋人になるなんて」
ずっと我慢していた気持ちからか、涙が頬を伝った。
長太郎「!」
A「もしかしたら...この生活が壊れるかもしれない。ちょたと、もう会うことも許されないかもしれない...。
そんな事に怯えながら付き合うなんて、出来ないよっ...」
・
ふわりと温かさに包まれ、間近でちょたの息を飲む音が聞こえた。
私を落ち着かせるかのように、手はそれぞれ私の背中と後頭部に伸ばされる。
長太郎「............
そういう事なら...無理強いは出来ないね」
耳元で発せられる掠れたような声。
この至近距離じゃないと、映像の音声に掻き消されるような弱々しい声に...私の胸は酷く痛んだ。
長太郎「...もし、Aを失ったりしたら...俺も耐えられないと思う」
A「っ...ちょた...」
・
長太郎「ごめんね...ワガママばかり言って。
...普通の家族に、戻ろう」
お互いを失うぐらいなら、結ばれなくてもいい。
それ以上の不幸なんて、存在しない。
私達は、同じ答えに辿り着いた。
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らんなあ - 面白かったー。良かったらもっと作成してほしいです。 (2020年4月20日 17時) (レス) id: aab03e3535 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:†ハヅキ† | 作成日時:2019年4月16日 20時