104話 詮索 ページ6
沖矢「では、そろそろ良いですか?」
コナン君と一緒にチョコを頬張っていると、沖矢さんからそう言われる。
糸目のくせして目線はなんとなくこちらを向いているよう。
『…そうですね、何から聞きたいんですか?』
口の中に詰め込んでいたチョコを飲み込み、改めて沖矢さんとコナン君に向き直る。
しばらく辺りが沈黙に包まれたが、
ある声によりそれも破られる。
コナン「Aさんはさ、ホントは何者なの?」
沖矢さんの隣で私のことをじっと見ながらそう尋ねてきた。
コナン「この前の病院の事件でも思ったけど、一般人にしては殺人に慣れてるよね。それに僕の友達が言ってた化け物、それをAさんは倒した。普通の人がこんな事するとは思えない…。」
眼鏡越しに私を見る彼からは、不審と少しの畏怖を感じた。
『……私より、君たちのことは?』
「え?」
2人の声が重なる。
『私も、君達と同じで君達が分からない。…小学生とは思えない頭脳を持つコナン君に、そんなコナン君と共に行動する沖矢さん。…先に君たちのことを教えてくれても良いんじゃない?』
初めてここに来たときから思っていた。
コナン君は中身とガワが合っていない。それもあり得ないレベルで。
沖矢さんも大学院生にしては身体能力も化け物じみている。
怪しく思っても仕方ないんじゃないだろうか。
コナン「…、Aさんが路地裏に倒れた時のこと…覚えてる?」
唐突にコナン君から思ってもいなかった事を聞かれた。
まさか、そこまで遡る…??
『……まぁ、覚えてるよ。たまたま行った路地裏で撃たれたやつね。』
うん、と力なく返事をする彼。
いつもより声色が明るくない…
それが、よりこの場に緊張を走らせた。
コナン「あの時にAさんを撃ったのって、警察では通り魔だったって話だけど…ほんとは違う、そうでしょ?」
いつもの彼だったらこういう時、敢えて逃げ場を残してくれるのに…
今回はしないんだ…。
《教師っていうのはカモフラージュで本当は別の職業なんじゃなぁい?》
あの可愛らしく聞いてくる感じがなんだかんだ好きだったけど、今日はそんな可愛らしさ感じられない。
『…………うん、そうだね、…コナン君の言う通り。』
今日だけは言い訳はよそう。
私が返事をした途端に2人の視線が鋭くなる。
『私を撃ったのは通り魔じゃない。…でも正直、私も誰だかよくわからないんだ。…ただ、一方的に撃たれただけ。』
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美弦(プロフ) - graywolf さん» ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいですっ!! (4月7日 11時) (レス) id: f5d70b86e6 (このIDを非表示/違反報告)
graywolf - 更新、応援しています‼︎この作品大好きです(°▽°) (4月7日 6時) (レス) @page29 id: c5ad504755 (このIDを非表示/違反報告)
美弦(プロフ) - k.o_1010さん» うわぁ!ありがとうございます、嬉しいです! (3月26日 15時) (レス) id: f5d70b86e6 (このIDを非表示/違反報告)
k.o_1010(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます (3月21日 17時) (レス) id: 56978ecf63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美弦 | 作成日時:2024年2月1日 15時