4話 回想 ページ6
俺があいつと初めて出会ったのは今から半年ほど前
仕事帰りに偶然寄ったバーでのことである。
カウンターに座り注文を済ませると、ふと隣にやけに顔が良い女がいた。
でも初めはそのぐらいで特に気にも留めていなかったが、しばらく飲んでいると隣からの女の声が目立つようになる。
マスターに上司の愚痴をこぼしていた。
よく喋る女だな…
うっとおしいとしか思わなかったが、
あの一際目立つ容姿に伴っていない荒れた口調が記憶に残り俺は再びあのバーを訪れた。
予想通り、あの日と同じカウンターの先にいた女。
この前とは装いが違っていたが、
相変わらず周りを気にせずでかい声で話してくれるお陰でその理由はすぐに分かった。
マスター「デートをドタキャンとは…残念だったねえAちゃん。」
A「そうなんですよ!あり得なくない!?これで100回は超えてるし!しかも埋め合わせするとか言っときながらしてくれたこと一回も無いしさぁ!!」
この間よりも荒れている。
ここで初めてこの女の名前を知った。
つくづく運がないやつだ
パワハラ上司に嘘しかつかない彼氏。
悪運もここまで来ればいっそ清々しい。
A「ねぇ、お兄さんどう思います!?」
唐突にそう言われ、一瞬誰のことかと思考が止まった。
ジン「…俺に言ってんのか?」
A「はい、銀髪に黒帽子の貴方です!」
敢えて睨みながらそう聞くが、酔っているからかこの女には全く効かず間髪入れずに話してくる。
ジン「…知らねぇな、俺に聞くんじゃねえ」
女は、ええ〜…だって男の人の意見聞きたいじゃあん…!なんて言いながら机に突っ伏していた。
思えば、ここから
俺達はよく話すようになった気がする。
それから気が向く度にあのバーを訪れ、その度にあの女がいた。
必ずといってもいいほど酔っていたが。
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マヤマヤ❁¨̮ - 凄く続きが気になるー!!最高なお話を作ってくれてありがとうございます!続きを楽しみにしています (2時間前) (レス) @page28 id: 749450bd62 (このIDを非表示/違反報告)
美弦(プロフ) - そう言っていただけて光栄です!ありがとうございます (5月7日 13時) (レス) id: f5d70b86e6 (このIDを非表示/違反報告)
ynz(プロフ) - はじめまして。私が読みたかったお話です(^^) (5月7日 4時) (レス) @page28 id: ccc380c8c6 (このIDを非表示/違反報告)
美弦(プロフ) - ありがとうございます!日々、コメントが励みになっております笑 (3月31日 10時) (レス) id: f5d70b86e6 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 美弦さん» ✉️。此方の作品も最高に面白いです!お久しぶりです、あの失礼な可能性がありますが久しぶりにボードで会話しても平気ですか?これからも更新応援してます💝 (2月24日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美弦 | 作成日時:2024年1月30日 13時