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23話  尋問 ページ27

ホテルどころか、ご丁寧に部屋番号まで今朝と同じ場所。



目の前では、椅子にふんぞり返ってこちらを睨むジンさん。




やだ、これしっかり覚えてんじゃん。


数分前の私の喜びを返してほしい。完全に忘れていると思ってたから高、括ってたのに…





え、いや、そんなことよりもこの状況


まじでどうしよう、ここでしらばっくれても良いけど多分無駄だし…


ていうかジン、めっちゃ怒ってない…???




これでもかってぐらいこっちを睨みつけられて、私も思わず怯んでしまう。





ずっと黙って何も話さない私にしびれを切らしたのか

ジンが口を開く。




ジン「てめえ、酒飲んだあと記憶無くすタイプだったかぁ?」



『いやっ?そんなことぉ、ないようなぁ…あるようなぁ…??』




あまりの気迫と声の圧に耐えきれず、間髪入れずに返事をした私。


慌てすぎて声は裏返るし、何言ってんのか自分でも分からない。





もう分かるだろとでも言いたげな表情ですね、ジンさん。



ここまで言われては、私にやれることはただ一つ。






私はゆっくりと正座に座り直す。


そして、前かがみになり膝の前に手をついて一言。








『申し訳ございませんでした!!』







そう。ジャパニーズ土下座である。




日本人にとってこれ以上ない、

最上級の謝罪と誠意を表し、同時に自分の矜持を一瞬にして奪われるもので


恐らく、命と天秤にかけられたときに大半の人はすることになるのではないだろうか、と思える代物




だが、どうだろうか。


何故か一向に動く気配のしないジン様。

そしてこちらもジンが先に何かをしてくれない限り何もできないため、動かない。


頭をベッドに擦り付ける女とそれを見る男。

なんとも奇妙な絵面の出来上がりだ。





ジン「…それは一体何に対しての謝罪だ?」



ようやく放った一言がこれである。






『ええっと、その、私なんかと一晩を過ごすことになってしまったことに対してというか…勝手にお金だけ置いてこっそり出てしまったことに対してというか…』




頭を上げずに地に這ったまま、話しているため

声が籠もり気味だが仕方ない。




だって今のジン絶対怖いもの。死んでも目を合わせたくない。


そのためなら少しぐらいカッコ悪い事になっても諦めるわっ!

24話  籠絡→←新作のお知らせ



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マヤマヤ❁¨̮ - 凄く続きが気になるー!!最高なお話を作ってくれてありがとうございます!続きを楽しみにしています (2時間前) (レス) @page28 id: 749450bd62 (このIDを非表示/違反報告)
美弦(プロフ) - そう言っていただけて光栄です!ありがとうございます (5月7日 13時) (レス) id: f5d70b86e6 (このIDを非表示/違反報告)
ynz(プロフ) - はじめまして。私が読みたかったお話です(^^) (5月7日 4時) (レス) @page28 id: ccc380c8c6 (このIDを非表示/違反報告)
美弦(プロフ) - ありがとうございます!日々、コメントが励みになっております笑 (3月31日 10時) (レス) id: f5d70b86e6 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 美弦さん» ✉️。此方の作品も最高に面白いです!お久しぶりです、あの失礼な可能性がありますが久しぶりにボードで会話しても平気ですか?これからも更新応援してます💝 (2月24日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美弦 | 作成日時:2024年1月30日 13時

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