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22話  既視感 ページ25

車はすぐに暗い闇に紛れるように消えていった。



そして何故か、ジンに腕を掴まれ続けている私。



彼は何故私を連れ出したのだろう…


というか。この建物は一体………………、お、っとぉ…





私の目に映った建物。


私はそれにものすごい既視感を感じていた。





そんな私を気にする素振りも見せず


私の手を引いて建物の中へと入っていく。



えぇ、ちょっ!


はやいはやいいたい




受付に何やら予約か、?注文…?みたいなことをしたあとどんどん奥へと入っていく。



そしてそんな彼に引きずられる。




待って待って待って待って…!

駄目だって!!!


なんでここなの???ナンデここに連れてきたんですか!!





意地で、これ以上動くまいと力いっぱい踏みとどまる。


するとピタッと彼の動きが止まった。


あ、いけた??もう帰れる??止めてもいいやつ?



と思ったが、どうやらそうではなかったようだ。


一瞬、舌打ちがした後、不意に身体が浮いた。

もうさ、フワっと。

まじで一瞬で地面に足がつかなくなって膝裏と背中辺りに感じる温もりで何が起きたかなんて明白

横抱きされたのだ。



Oh No…



"あの"ジンにお姫様抱っこされた。

やばい、もうこれは精神的に苦しい、死ぬ。


いやあの、嬉しいとかそれどころじゃなくて…多分これ、少しでも動いたら殺されるやつだ。


本能でそう察して私は抵抗を止めた。


あ、まって距離近い。こんな近いのに毛穴見えないんですけど、なんなん??肌きっれ…


近すぎる距離による顔面の暴力。





悶絶しているといつの間にか、

その時はやってきた。




あ、…まずいまずい…よりにもよってここ……??


他のとこでも良かったでしょ……???




私の思い虚しく、無慈悲にも豪快にドアを開け入っていくジン。

そして、優しく私をベッドへと下ろした。

ジンはベッドの近くにある椅子にもたれ掛かりながら座る。






『………………』



ジン「………………………」




お互い、口を開かず沈黙だけが流れる。


気まずい…気まずい…




そんな均衡を破ったのは私の前にいる彼。






ジン「…見覚えねぇとは言わせねえぞ。まさか…忘れてるなんて言わねえよなぁ?」





地を這うような低い声に思わず肩が震えた。

明らかに怒っている。



見覚えとは何なのか、私にはよく分かった。


彼が連れてきたこの建物は、私が今朝まで居たホテル。そして今居るこの部屋は、私が一夜を過ごした場所だ。

新手の嫌がらせか??

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美弦(プロフ) - そう言っていただけて光栄です!ありがとうございます (5月7日 13時) (レス) id: f5d70b86e6 (このIDを非表示/違反報告)
ynz(プロフ) - はじめまして。私が読みたかったお話です(^^) (5月7日 4時) (レス) @page28 id: ccc380c8c6 (このIDを非表示/違反報告)
美弦(プロフ) - ありがとうございます!日々、コメントが励みになっております笑 (3月31日 10時) (レス) id: f5d70b86e6 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 美弦さん» ✉️。此方の作品も最高に面白いです!お久しぶりです、あの失礼な可能性がありますが久しぶりにボードで会話しても平気ですか?これからも更新応援してます💝 (2月24日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
美弦(プロフ) - 鶯 御飴さん» ありがとうございます!嬉しいです😊完結までまだ時間がかかりますが是非楽しんでください! (2月23日 17時) (レス) id: f5d70b86e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美弦 | 作成日時:2024年1月30日 13時

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