18話 美人 ページ21
あれよあれよと連れられて、
いつの間にか私がいるのは誰のものかも分からない車の中。
隣には超絶美人女優が座ってて
私に微笑みかけている。
前の私だったらそれだけで悶えていただろうけど、
前世を思い出したことによってこの人の正体も知ってしまった今では
恐怖心を煽る以外の何ものでもない。
身体も、やっと正気に戻ったのか小刻みに震えているのが分かる。
『ぁ…っ…、！…ッ！』
何か話さなければと思えば思うほど口から出るのは乾いた声にもならない音のみ。
今になって、恐怖が…不安が…
波のように押し寄せてきたのだ。
この人は私をどうするつもりだろう…
そもそも何故私をあそこから連れ出したの？
殺される
様々な疑問が頭の中を支配していく。
ただただ目線を下に向けて俯くだけ、
スカートを握る自分の手が、汗ばむ。
ふと、影がさした。
その影はだんだんと私に近づいてくる。
慌てて、その影と反対の方へ顔を上げる。
そこには私の頬に手を寄せるベルモットがいた。
『…、へ…』
一瞬、何が起きたのか分からなかった。
すぐ眼前にお綺麗な顔があるんだもの
そして私の頬には、彼女の手が添えられてる。
これに驚かずにいられる猛者はいるだろうか、いやいないだろう。
ベルモット「貴方が、Kittenね、結構良い見た目してるじゃない。あのジンが気に入るだけはあるわ。」
磨けばもっと光るかしら…？ なんて言いながら私の顔をガン見してくる彼女。
何いってんだこの人…
キトゥンてなに…？？？
Kitten？？私英語無理なんだよな…
ベルモットの意味のわからない質問のお陰といえば良いのか…いつの間にか体の震えも止まっていて恐怖心も消えかかっていた。
すると、今度は後ろでドアの開く音がする。
おん…？？
背中に冷たい空気が触れる。
それとほぼ同時に私の身体がベルモットから離れ、後ろへと引き寄せられた。
首元に誰かの腕…
おまけに鼻腔に広がるタバコの匂い、
「離れろ、ベルモット」
耳元からそんな声が聞こえてきた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1224人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美弦(プロフ) - そう言っていただけて光栄です！ありがとうございます (5月7日 13時) (
レス) id: f5d70b86e6 (このIDを非表示/違反報告)
ynz(プロフ) - はじめまして。私が読みたかったお話です(^^) (5月7日 4時) (レス) @page28 id: ccc380c8c6 (このIDを非表示/違反報告)
美弦(プロフ) - ありがとうございます！日々、コメントが励みになっております笑 (3月31日 10時) (レス) id: f5d70b86e6 (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 美弦さん» ✉️。此方の作品も最高に面白いです！お久しぶりです、あの失礼な可能性がありますが久しぶりにボードで会話しても平気ですか？これからも更新応援してます💝 (2月24日 11時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
美弦(プロフ) - 鶯 御飴さん» ありがとうございます！嬉しいです😊完結までまだ時間がかかりますが是非楽しんでください！ (2月23日 17時) (レス) id: f5d70b86e6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：美弦 | 作成日時：2024年1月30日 13時
