ワンナイトした相手が黒の組織の幹部でした

13話　　個人 ページ15

さぁ、私が拉致られて一体何時間経ったでしょう。






正解は、




1時間でしたぁ！！







そう。
まだ1時間。されど1時間。



体感だと1日経ってるわ。





なのに、私を拉致った男が一向にワタシの口にある布を取ろうとしないお陰で意思疎通ができない。



そのため、ジンを呼ぶことができない。


あ、あと気づたんだけど二の腕の傷、掠っただけで穴は空いていなかった。


地味に今も痛いけど大事無くて良かったと思いました。







そんな訳で、ずっとこちらと仲間を交互に見ながら仲間と何かを話している男は実は馬鹿なのかなとか思ったり。


一時期、黒の組織の一員と思っていた私はその考えを改めていた。









この男は気づいていないのかな…


私が布のせいで喋れないことに。





というか時々見せる銃が恐怖心を煽りまくってくる。

さっきの私に撃ってきたことで本物だってわかったし何よりジンを知ってる奴がレプリカを使うはずがない




あのジンだよ？？

もしあの人が脅しでベレッタのレプリカ使ってきたら私絶対笑うわ。

当然仲間もレプリカを持つはずがないし…




そもそもなんで私とジンが知り合いだと思うんだよ


そんな疑問も次に発せられた主犯格の男の言葉で







「お前のことは既に調べ済みなんだよ 例えば、そうだなあ………、あるバーで毎夜ジンと飲んでる、とかなぁ？」




『！？』






え、







ストーカー…、？




「何考えてんのかハッキリとは分からんが多分違うからその顔やめろ。気色悪い」





私は犯人目線でも見るに耐えないぐらいドン引いた顔をしていたらしい。



即座にそう言われて心外だった。






男の言葉にショックを受けていると、また別の男がパソコンと誰かのスマホを交互に弄りながら、

主犯格である私のことを罵倒した男に声をかけた。





「り、リーダー！その女のスマホから写真が…！」



そう言って男の右手にあるのは先程から弄っていたスマホ。

いや、それ私のスマホかい！！！

返せよ




男が持っているのが自分のスマホだということに気づき、どうにか近づこうとするが

それよりも先にリーダーと呼ばれた男が、パソコンの前にいる男の方へ行く。

いや邪魔。

通らせろやっ私のスマホだぞ！

何勝手に触ってんだよ！



そんな思いは虚しく散り、リーダーが私のスマホのアルバム写真を容赦なく見ていく。

個人情報ｯｯ


なんでロック開いてる！？




あいつか、あいつが開けたのか、

そう恨めしく思いながらパソコンの前にいる男を睨んだ。

するとリーダーのスクロールしていた手が止まる。

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