8話 ページ10
そして、場所は変わって
とあるカフェ。
私は、学生証を拾ってくれた男性こと松田陣平さんとお話していた。
数時間でありえないぐらい仲良くなった気がする。
あれ、気の所為か……?
松田「そいや東都大学って、お前頭良いのな」
目の前でコーヒーを飲みながら唐突にそう言う。
普通の女の子だったら、ここは謙遜するのだろうか。
なんて答えるべきか分からなくなったので
取り敢えず当たり障りのない返事をする。
『まぁ、そうですね。普通の人よりかは良いかもしれません。経済学部なんではっきりとは分かりませんけど。』
うん、
自分でもいいっちゃ良いかなって思っている。
偏差値だって70位あるし、入るのそれなりに苦労したし。
松田「へぇ…見えねぇな…」
おい、聞こえてんぞ
失礼だな。
『見た目通りでなくて悪かったですね。そう言う松田さんは勿論、私なんか足元にも及ばないほど聡明なんでしょう?』
笑顔で受け答えをしつつ、嫌味を言うと
鳩が豆鉄砲を喰らったかのような顔をした後、
テメェ…
と笑いながらでも少し悔しそうにこちらを見てきた。
ふはっ、ざまあみろ。
性格が悪いって?
元からです★
いい気味だ、とか思いながら得意げに
見下げていたら彼が一変。
さっきまでの悔恨は、どこに行ったのやら
いきなり自分の両目に手を置いて空を仰ぎながら笑い出した。
松田「くっ…はははっ!」
え、なに、急に何??
『…いきなり、どうしたんですか…?』
壊れた…??と呟いたが、幸い彼には聞こえていなかったようで怒られることはなかった。
代わりに…
松田「…お前みたい女、嫌いじゃねえわ」
何故か上から目線で告白紛いな言葉を言われた。
キライジャナイ…?
おまえみたいなおんな??
『は、はぁ、!?いきなり何言い出すの…!』
周りなど気にせず、席を勢いよく立って叫ぶ。
そんな私に刺さる視線。
周りにいるお客さんに見られていた。
ご、ごめんなさい…と言っていいたまれない気持ちで直ぐ様席につく。
そしてその様子を面白そうにニヤニヤしながら見てくる松田さん。
あんたのせいだぞ、分かってんのかっ…
私が睨んでも尚ニヤついている彼に
きっと私の思いなど1ミリも伝わっていないのだろう。
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←7話
64人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:美弦 | 作成日時:2024年1月2日 21時