4話 ページ6
突然のことに反応が遅れる。
口の中のものを全て飲み込んでからもう一度尋ねた。
『ごめん、もう一回言って?』
美波「このパンケーキ、今日までしかないから一緒に来てほしいなぁって言ったの。」
うん、聞き間違えじゃなかった。
この子は、私にこのパンケーキ屋さんに来てほしいらしい。
『私の記憶が正しければ、つい最近もパフェ食べに行ったような気がするんだけど?』
美波「うん、行ったよ?」
『しかも同じお店だった気がするんだけど??』
美波「うん、そうだよ?」
……………………………
『ごめん、面倒だから別の人誘って〜』
美波「私はAと食べたいの!」
はっきり言い切ったのに、諦めてくれない美波。
ほんと甘い物好きだね…
『てか、あんた彼氏いるじゃん!その人誘いなよ!』
美波「あーくんは今日予定詰まってんの」
あーくんこと久利生敦は、美波の高校からの同級生であり、この子の彼氏である。
本人には会ったことはないのだが、美波いわく顔は神◯楓珠で、性格は佐藤◯朗だそう。
顔が濃いイケメンな上にギャグセンスまであるのか、とそれを聞いた時の当時の私は、驚いた。
ただ、佐◯二朗はずっとウケるために喋っているので、私的にはあまり彼氏にしたくはないなと思った。
『あ〜、彼氏バイトいっぱいしてるって言ってたもんな…』
美波「そうなの、今日は家庭教師とコンビニらしい。」
それは、なんとも言えない組み合わせ…
う〜〜〜ん………、
彼氏もいなくなってしまっては、万事休すか…
『………はぁ…仕方ないなぁ』
私のこの言葉を切火に美波の顔が明るくなる。
美波「やったぁ!じゃあ、4時に駅ね!」
『はいはい。』
また、お金がなくなるなあなんて考えながら再びご飯を食べ始めた。
暫くして、ある放送が食堂中を流れる。
キーンコーンカーンコーン…
〘経済学科1年藤野A。自由時間に社会科研究室に来てください。〙
キーンコーンカーンコーン…
そこで流れたのは正真正銘私の名前で。
そして、社会科研究室は朝、私がいた講義室。
ここで。一つ、私には思い当たる節が会った。
『ごめん、美波。私反省文書かないとだわ。』
美波「……」
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作者名:美弦 | 作成日時:2024年1月2日 21時