3話 ページ5
美波「で、遅刻したんだ。ウケる」
お昼になり、学食で
大学に入ってから出来た友達である笠原美波に今朝起きたことを話していた。
『いや、ウケるじゃなくて。まじで怖かったんだからね?』
他人事のように笑う美波に、私はそう言う。
まぁ、他人事なんだけど…
美波「でも、優しい人だったんでしょ?」
『う、まぁ…ね?すぐ謝ってくれたし…』
でも、最終的にずっと睨まれてたしなぁ…
怒ってるようにも感じたし…
でもそんな私の思いを一瞬で断ち切る美波。
美波「じゃあ、良かったじゃん、慰謝料請求するような人じゃなかったんだから。謝られたんだったら尚更。」
そう言われ、言われてみれば確かに。と納得してしまった。
そうだ、もしあの人が本当にヤクザだったなら絶対理不尽に慰謝料を請求してきたに違いないだろう。
100万円ぐらい。(偏見)
しかし、現在私の銀行口座を見ても、お金が減った形跡は1円もない。
ということはやはり、あの人はちょっと怖い一般人なだけであり、ヤクザではなかったのだ。
なんだ、そういうことかぁ!
『流石っす、美波さん。』
思わずそう言うと、美波は得意げにしていた。
美波「でしょ?」
美波の言葉に妙に説得力を感じてしまい、思わず拍子が抜けた。
そのお陰か、不安とやってしまったという気持ちで喉を通らなかったご飯も、スルスル食べられるようになったし。
あ、唐揚げうまい…
美波「それはそうと、Aちょっといい?」
『うん?』
突然そんな事を言うもんだから、ご飯を食べるために動かしていた箸を止める。
すると、目の前に出てきた彼女の携帯。
そこには、美味しそうなパンケーキが写っていた。
生憎、食事中のためあまり食欲は唆られないが。
美波が好きそうなものだとは思った。がしかし、だからどうしたというのだろうか。
私の幼稚な頭ではそこまで想像できない。
なにより今食事中だから(2回目)どちらかと言うとご飯に集中している。
『ほれはほうかしはほぉ?(これがどうかしたの?)』
口に唐揚げを詰めながら尋ねると流石は美波。
私が何を言っているのかすぐに理解し、返事をくれる。
美波「実はね、これ期間限定のパンケーキでさ。その期間が今日までなんだよね!!」
『……うん、ひゃはら?(だから?)』
美波「…一緒に来てくれないかなぁ………って」
『…………は?』
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作者名:美弦 | 作成日時:2024年1月2日 21時