検索窓
今日:24 hit、昨日:21 hit、合計:5,079 hit

2話 ページ4

私の目の前には、黒髪の天パの男性。






私の方を真っ直ぐに見下ろしてくるその姿はさながらヤのつくお家の方にしか見えない。





そして、思い切り睨んでくるのでもう怖すぎて自分で自分を、殴りたくなった。





すると、驚きと恐怖で声が出ない中、

なんと私が体当だった男性が口を開いた。








「あ、いや。こっちもちゃんと周り見れてなかったわ。悪かったな」








おっと、優しいタイプのヤクザだった。








私からぶつかりに行ったも同然なのに、サラッと謝罪してくれる。

そして、それに対し私も謝り返す。






『え、いや、こっちが悪かったん、で……』





そこまで言って、気づいてしまった。


頭を下げて謝罪をする時に、


私は、自分の腕時計に目がいってしまったのだ。





そしてその時計は、長針が11の数字を指している。











うっそだろ、あと、5分しかねぇっ!!!!











自分の置かれた状況に気づいてしった私。

取り敢えず大学に行こうと思い、男性の方を見る。

そして口を切る。







『あ、ぇ。えっとすみません…!ちょ、時間がまじでなくて、ですねっ。あっと、あの、こ、この埋め合わせは必ずするんでっ!』








焦りすぎて正しい日本語を話せない。


私は、絶体絶命の状況に陥ると言葉が吃るようだ。


吃音過ぎて、傍から見たら何を言っているのか分からない気がする。









『だから、その…まじでごめんなさい、もう二度とこんなことしませんのでっ、失礼しまぁす!』



「あ、おいっ」









そして、男性の静止も聞かずに大学へと一目散に走った。













NOside





引き止める間もなく走り去っていった女の後ろ姿を見つめながら、



男は、あるものに気づく。





1、2メートル程先に落ちている小さな薄いもの。




男はそれを拾う。





何やら、学生証らしきものだった。








「東都大学経済学部、1年…藤野A……ね、」







そう呟いて口角が上がる。



















この時点で1人の個人情報がダダ漏れてしまっているのだが、


大学まで全速力で走っている張本人の女は、そんな落とし物など気にする余裕は無かったのだった。




『まじでやばぁぁい!まって、あと1分!?おわったぁぁぁ』

3話→←あてんしょん



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (11 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
64人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 警察学校組 , 松田陣平   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美弦 | 作成日時:2024年1月2日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。