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《合図したら一斉にかかれ》
耳につけているソレから流れてきたソイツの声に少々イラつきながら、小銃を構え直す。
こんな物騒な武器をどこから手に入れたか気になって仕方ないが、全身武装できるセットがあるこの組織に少々恐怖を感じたのは数時間前の話。
ジンは私のことを捨て駒か何かだと思っているに違いない。
今夜ここへと集められたのは、私を含めた15人程度。それぞれ3小隊に振り分けられている。
「ある組の頭の首を取りにいけ」とだけ伝えられたこの任務は、随分と命がけであり、オマケに大した作戦は練られていなかった。
今ここにいる人を誰一人として知らない。残念だが、コードネーム持ちがいるかどうかさえハッキリしないが、私の存在を知っている人は数名いるようで名前を何度か呼ばれた。
もしかしたら、正式な幹部は私のみなのかもしれない、という考えもあった。
ここで死んでくれたら、あいつもラッキーって考えなのだろうか？？
「マディラ」
「はいはい」
私のいらつきを察知したらしい一人が、声をかけてきたので小さく深呼吸をする。
目の前にそびえ立つただの二階建ての少々大きめな一軒家を睨むように目を開いた。
《３、２、１、、、GO！！！》
ジンではない他の誰かの合図にしたが私たちは一斉に走り出す。
建物の中に入ると一斉に短機関銃の引き金を引いた。ヤケにうるさい音が響き渡る。
「チームAとBは、先に進むぞ！！」
入り口付近をCに任せ、私たちは階段をどんどんと登る。
普段着慣れない武装服はとても重たく、足を一気に運ぶ。
相手もこんなに武器があるだなんて聞いてない！！！
「マディラ！！！！」
大きな声で名を叫ばれたかと思うと頭に衝撃が走る。
殴られたのだと察知しすぐに足を振り上げ背後にいた人物を蹴り飛ばした。横から来た男を小銃で殴り倒し、再び向かってくる男に弾を発砲したがなんと弾切れ。
新しく弾を入れ替えるほど余裕もなく、小銃をぶん投げて拳を出した。
「ここは任せろ！！」
私たちの今回の任務はかしらの首を取るだけ。
痛む頭を振り払うように私達の小隊は奥の部屋へと走り出す。
「逃がさないよ」
私は静かにそう呟くと、窓から逃げようとしている頭の頭をホルスターから素早く取り出した拳銃で頭を一発ぶち抜いた。
すぐに聞こえてきたサイレン音に、私たちは暗闇に紛れるようにバンへと乗り込んで逃げた。
その人数、5人。
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作者名：あおいろ | 作成日時：2020年1月2日 1時
