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「お前五時間目だけ出席しないのどうにかしろ!!」
「...だって、お昼ご飯食べたら眠くなりません??」
早速担任からのお呼び出しを食らった。
「それにスカートを短くするな!!」
「えー、下着見えないし、それ以外真面目だから許してよ」
髪だって染めてない黒髪ストレートだよ。
ピアスも開けてないし、Yシャツだって第一ボタンを開けてるだけ。ちょっとスカート短いかもしれないけど、それくらい許してほしい。
まぁ、授業サボるしスカート短くしてれば学校からすれば不良娘だろうけど。
「お前の親御さんに連絡したが、卒業してくれればいいとしか言われないし。ちゃんと会ってるのか??」
ぐちぐち言うけど、なんだかんだ生徒のこと気にしてくれてるいい先生だと言うのは認める。
まぁちょっと複雑な家庭事情だし。
「最後にあったのは中学の卒業式ですかね」
「連絡は??」
「学校の必要連絡だけ」
本当に親かどうか疑いたくなるけど、これが普通になってしまっている私はきっと麻痺している。
「はぁ、とりあえず授業には出ること。あと寝ないこと、そろそろ中間考査もあるからな」
「はーーい」
ごめんね先生、すごく悩ましてるみたい。
ストレスで胃腸炎ならないようにね、あと髪の毛...。
脳内で一人ふざけながら、「失礼しましたー」とのびのびとしながら職員室を出た。
一瞬脳内にチラついたのは、幼い頃から年に数回しか会えない両親の顔だった。
別に良家とかそう言う話ではない。経営していると言う話だけは聞いているが、正直何の仕事をしているのか娘ながらに知らない。
実家はないし、昔からマンションで一人暮らしをしている。
流石に頭のイカれた家族だと言う自覚はある。それにしては随分と真面目に育ってきたと思ってる。
「あれ、Aちゃん!!」
「呼び出しか??不良娘」
今のことだけを考えてればいいんだ。
今目の前にいるこの二人が唯一の光なんだ。
「ちゃんと授業受けろって言われた。私真面目なのに」
「どこがだ??」
呆れたようにため息をつく陣平先輩と、面白そうにニコニコしてる研二先輩。
今は、この二人がいてくれたらいいや。
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作者名:あおいろ | 作成日時:2019年11月17日 1時