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汚れたYシャツはすぐにゴミに捨てた。

シャワーも浴びて、着替えて、ベッドに入った。それだけは覚えてる。


ピンポーン

ピンポーン...

鳴り響くインターフォンに目を覚ます。

ソファーから立ち上がり、モニターを見れば焦ったような陣平先輩がいた。

私が玄関に行き鍵を開けると、本気で焦ったような顔をした陣平先輩と目があった。

「お前ッ...!!」

わけがわからなくて、いきなり怒鳴られるのかと思い肩を竦めた瞬間抱きしめられた。

「え?」

そのまま家の中に入ってきて、扉の施錠をすると私を持ち上げてソファーまで連れて行った。

「何があった??」
「待って...わけがわからない...」

何を言ってるの?といえば、本人もはぁ??と顔をしかめた。

「お前、俺と萩原がどれだけ電話かけてもメール送っても見ねえから」

え、と思い放り投げてあった携帯を見ればすごい量の着信と、日付があの日からすでに四日経ってることに気がついた。

「何かしちまったかと思って、そしたら高校から俺らの親に連絡が入ったんだよ」

もう土曜日、つまり三日間も無断欠席してしまったわけだ。

そしてどうせ親には連絡つかないし、当の本人とも連絡が取れない、となると一番関わりのありそうで連絡先を知っていた二人の家へと連絡をしたのか。

「...本当に何があった」

私は妙に冷静だった。

というか、感情が欠けてしまったかのように、何も感じなかった。

陣平先輩が私の頰に手を置いた。

ピリッと痛みを感じて、怪我したところかと他人事かのように思ってた。

「...親が、死んだんだって」

「...葬式は?」

「ないよ、私も知った頃には既に。多分、元からこの世に存在しなかったことにされてるんじゃないかな」

私が、吐き出すようにそういえば何かは察したらしい陣平先輩に強く抱きしめられた。

「...なぁ、お前ェが何考えてるか知らねえけど、お前だけは死ぬんじゃねぇぞ」

そう入ったセリフに強く抱きしめられた。


「...私の手がどれだけ汚れても、まだ抱きしめてくれる...??」
「汚れねえように俺が守る」

私はすがりつくように顔を埋めた。

「汚れなきゃ、消されちゃうんだ私...」
「じゃあ、俺が全部忘れさせてやる」

その言葉に、ふっと笑う。

「陣平先輩と研二先輩の敵になるかもしれないよ」
「でっかくなって、お前を助け出してやる」

...早く助けにきてね...

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作者名:あおいろ | 作成日時:2019年11月17日 1時

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